第3話 告白

「瀏司君、バイトしてるんだって?」



裕香が言ってきた。



「あー、らしいね」

「それで、そこの喫茶店、急に客数が増えたみたいで」

「へえー」


「ほとんど彼目的みたい。でも、そこの喫茶店イケメン揃いみたで」


「じゃあ…イケメン喫茶だね?」


「そうだねって…あのね〜」




私達は色々話をしていた。





それから1ヶ月が過ぎ――――6月



「あー…最近、雨ばっか」

「本当そうだよね」

「憂鬱だよねーー」

「言えてるー」




裕香と会話する中、一人の男子生徒が私を呼び出す。





「はい」

「あの今日の放課後、屋上に来て下さい」

「分かりました」




そして―――――




「すみません」

「いいえ」

「あの…俺と、お付き合いして下さい!」



ドキッ

 


「えっ…?あ、あの…でも…私…バイトで忙しいし、付き合うとか付き合わないとか難しいと思うので…」


「友達からで良いので」




「…………………」



「お願いします」

「…あの…1日だけ返事待ってもらえますか?」

「分かりました」

「すみません」



そして私は1日考える事にした。




「へえー、告白。付き合ってみれば?」


「でも、バイト尽くしだし…デートというデートは出来ないと思うし」


「女の子なんだし、恋の1つや2つしたら?友達からでも良いじゃん!」


「う〜ん…」


「好きな人でもいるの?」


「ううん…いないけど…ちょっとイイなって人はいたりして…どうしよう?明日…返事…」


「ゆっくり付き合ってみるのも良いと思うけど?」


「…うん…一人でもう少し考えてみる」


「そうだな。そうしな」


「うん」




そして、考えて上での結果、付き合ってみることにした







ゆっくり付き合って数か月が過ぎる――――10月




デートというデートもなく、登下校だけは一緒にという、唯一、二人の時間を過ごす。


彼・間渕 高志(まぶちこうじ)君は、私と付き合ってくれていた。





「…ゴメンね…」

「えっ?」


「いや…時間は合わないし、デートとううデートも出来ないのに、高志君、私と付き合ってくれるなんて…本当なら嫌気さして他の人に目移りするよ」


「好きな人だから、少しの時間でも長く一緒にいたいって…未来が見えない分、今、この時間を1日1日を大切にしたいから」



ドキン…



「高志君…」




その日の夜―――――




「おーい」



私の視界を遮るように手を上下に振る仕草で声をかける人影。




「えっ?あ、何?椎納君」

「…その椎納君は…辞めろよ…」


「あー、でも、プライベートも学校も一緒じゃなきゃ、ごちゃごちゃなりそうで…ボロが出そうだし…」


「あー…」


「あっ!バイト、どう?」


「バイト?あー、別に普通」


「そうなんだ」


「ただ、告白される事が増えてさー、携帯には女子の名前ばっか」


「女友達が多いんだ!彼女と別れないようにね」


「彼女?いねーし」


「いないの?」



私達は色々話をしていた。



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