第六話 ありがと! すっごく嬉しい

更新さぼっててごめんなさーい!

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「遥香―、この場所を紹介してくれよ」

「なんで私が紹介しないといけないのよ……普通に動画に残すだけでいいじゃない」


 セルカ棒に繋いだスマホには、俺と遥香が映っていた。遥香は、頬を膨らませていたが、その表情が、嬉しさを隠してるようにも見えたのは気のせいだろうか。


 多分だけど、嬉しさを隠しているような気はする。


「ほら、動画に残すんならなおさらだろ? 今度、振り返ってみた時に、思い出しやすいしな」

「仕方ないわね……もーう」


 喜色の隠しきれない声色の遥香は一旦、下を向いてから顔を上げた。その動作がまるでスイッチを入れるようにも見えた。顔を上げる遥香の表情は、一段階明るくなったような気がした。


「今日は、やんばパークスに来てるわ。鷹矢と私が付き合ってからの一か月記念なのよね?」


「おい、いきなり嘘を混ぜるな」

「クスス……別にいいじゃない」


 口元に手を当て上品に笑う遥香がおかしそうに笑う。


「ほら、さっさと行くわよ。私だってパークスガーデンを回りたいんだから」

「分かったから、腕を引っ張るなって!」


「今日のことを思い出に残すんでしょ? それに時間は有限なのよ、ほら、急いで」

「分かった、分かったから、ったくもー」


 弾むような足取りで、遥香が屋外の階段を上って、別のエリアに向かっていくの慌てて追いかけた。


 それでも遥香の楽しそうな表情を見ていると、ウィンドウショッピングしながらの動画撮影は間違ってなかったと思えるのだ。


                ※


「じゃじゃーん。今は季節の花コーナーに来ていまーす……あ、鷹矢。自撮り棒を貸してちょうだい」

「え? ああ、うん……」 


 声のトーンが高いままで遥香は、俺からセルカ棒を借りると、自分で動画を撮り始めた。俺がいる意味よ……撮影ぐらいさせてよ……ぐすん。


 そのまま、遥香はくすぐったそうな表情で、動画に花の紹介をしたり周囲の風景を映していた。


「ほら、鷹矢も近くに来てよ、はい、チーズ」


 遥香に呼ばれて、近くに行くといつのまにか録画モードからカメラモードに変わっていた。


 遥香の隣に立ったが、


「もうちょっと近くよ」


 不服そうな表情をした遥香が、俺の腕を抱き寄せながら、体を密着させてきた。


「ちょい、ちょい!」

「べ、別にいいじゃない……そうよ、思い出作りのためなのよ」


 急になんで密着してきてんだよ! 


 女子特有の柔らかい体つきも、石鹸のような爽やかな匂いも、意識するには十分すぎる魅力を秘めていた。こんなことを堂々とする遥香のくせに、顔は真っ赤にしているんだから余計にだ。


 恥ずかしいならしなくてもいいのに……。


「ふふ……この写真は一生の思い出だわ」


 そういう事言うのは反則だって、もー。

 ちょっとグッと来ちゃったじゃん


             ※


「それにしても、面白いわよね。都市と自然を一体化させるのって」

「まぁ、あんまり見ないよな」


 遥香がパンフレットを見ながら声をかけてくる。俺も横から覗き込んだが、海外では普通らしい。むしろ、日本ではこんな動き方が珍しいらしい。


「私は好きだわ。ゆっくりリラックスできるし、非日常って言えばいいのかしら? 気軽に来れて、自然を満喫できるのは静かで好きだわ」


「そっか、なら連れてきて良かったよ」

「ええ、ありがと! すっごく嬉しい」


 ニコッと無邪気に笑う遥香を見てると、チョイスを間違えなかったようで安心した。


「ねぇ、鷹矢。次はあっちに行きたいわ」

「へいへい」


 腕を引っ張ってくる遥香の表情が子供っぽいやら、素直やらで自然と笑みがこぼれてくる。多分、この場所が自然に囲まれているっていうのも関係しているんだと思う。


 リラックスできて穏やかな気持ちになれるような。

 正確には違うのだろうけど、森林浴が近いのかもしれない。


 木々の隙間から零れる陽光が心地よかった。遥香にとって、少しでも学校で合ったことを忘れてくれてら良いなって思う。


 それから、遥香とパークスガーデンを歩き回って、動画に記録として残していく。

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 更新ができなくてすいません……

 今日からまた平常運転で再開します……


 最後までよんでいただきありがとうございました。


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