2022年12月20日(火)
何故、行かねばならないのか。
分からぬ。
これほど苦痛だというのに、何故、行かねばならないのか。
至極、分からぬ。
1つあるとすれば、付き合いだから。
2つあるとすれば、吾輩が日本人であったから。
日本人の悪しき国民性である。
右にならえしかできないのは、いけないことだ。
だが、それがあったからこそ、世界に認められたともいえる。
真面目でコツコツ頑張れる、みんながするならしなければ。
こんな性を吾輩も一応、DNAに組み込まれているようで忘年会を断れなかった。
後悔と絶望と、愚かな自分に対しての憤りがぐるぐる部屋を散歩している。
あぁ、やめてくれ。
忘年会なんて勝手にしてくれ。
誰でも良い。
誰か……
中止になったと連絡をくれ。
誰でもいいい。
吾輩が嫌いだとかキモいだとか、
適当な悪態をついてみんなをその気にさせてくれ。
そして、吾輩の参加を阻止してくれ。
頼む。一生のお願いのまだ2回目のお願いだから。
神様でも仏様でも、トイレの花子さんでも構わない。
誰か、吾輩を忘年会から迫害してくれ……。
だが、
何時間待っても何も変わらないようだ。
行かねばならないのだな。
あぁ、外は寒いし心も寒いし財布も寒いし。
流石は冬将軍。
あらゆるものを寒くしてしまうようだ。
もう電車が来てしまう。
さよなら、我が故郷。
さようなら、我が家。
さようなら、我が忠犬ハチ公。
さようなら、昨日まで幸せだった吾輩。
さようなら。
吾輩は、忘年会に旅立ちます。
さようなら吾輩。
グッドラック。
この言葉を
全ての吾輩に捧ぐ。
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