2022年12月14日(水)



つい先日、乗り込んだ列車が横転したり炎で包まれたり、雷が駆け抜けたり、




なんか色々大変だったが、吾輩無事に帰還したのである。




どこをどう歩いて帰宅したのか分からないが、気がつくと自宅にいたのだ。





何故か口周りと課題のレポートがぐっしょりしていたが、理由は定かではない。





きっと列車で、ほぼ半裸の入れ墨まみれの赤髪の男に悪戯されたのだろう。








そうに違いない。








そういうことにしておきたい。








そんなこんなで今日になったので







タイムリーさからかけ離れた話になるのだが、







この前、吾輩、珍しくサッカーの試合観戦したのである。







観戦といっても、画面越しに見ていただけなのだが。







吾輩、普段からスポーツ観戦(バレーボールは除く)なぞしない生き物である。






嫌いとかではないが、あまり興味を持てないため見ようとまでは思はないのだ。





実を言うとそれがあってオリンピックもほぼ見ていない(バレーボールは除く)。






そんな吾輩が、サッカーを観戦したのであるから、凄いことである。






観戦した理由は、至極簡単である。






仕事やレポートに明け暮れて、




疲労しきった脳が思考を必要とするテレビ番組を拒否したのだ。




脳を使わないというと勘違いされてしまうかもしれないが、



サッカーに脳がいらないと言っているのではない。





何の知識も持っていない吾輩のようなにわか観戦者が、


何も考えずに見られるということである。






ゴールにボールが入ったかどうかだけで得点の成り行きが分かるという、

我々にわかに優しく親切なスポーツの1つである。





玄人などからすれば、



細かなルールを考え戦索を練ったりして頭を使い楽しむのだろうが、



吾輩素人の素人なので、そんな必要はない。





というかできないのである。





無知であるから。




気楽な気持ちで



流れるボールを目で追い、用事をしつつ観戦したのであるが、





目を離した時に限って実況の「シューーーーーーート!!」という






大きな声が聞こえてくる。







慌ててテレビ前に戻ってくるが、得点は両者入っていない。







そんなに大きな声で叫ばなくても良いではないか。






手に持っていた洗濯物が地面に投げつけられる。






何かしら得点がはいったかのような、







あまりにもあまりにも大きな声で叫ぶので






毎回勘違いしてしまうだろ。







その度に慌てて足を滑らせては、






畳で転び、






スライディングしながらテレビ前に戻るという



ある意味スポーティーなことをしなくてはならない。







思わせぶりな実況のせいで、吾輩、もう膝小僧がずる剥けである。







子供の頃、体育館で滑りながら転けた時の


あのチリチリとした痛みが膝を攻撃している。







実況の気持ちが分からない訳ではない。






盛り上げるためにある程度叫んだりすることは必要である。







だがシュートごとに、



有り余る力を叩き込んだ「シューーーーーーート!!」は



不要なのではないだろうか。






カラオケで言えば、ロックの歌を一生サビの音程で歌っているのと同じだし、



バラードを頭から全力で歌い続けるのと同じである。






そんな炎の剣士煉◯じゃあるまいし、シュートの叫びにも緩急欲しいのだ。






マクド◯ナルドに行って自分がビッ◯マックが好きだからといって、





それを注文するときだけ、急に危険を知らせるような声で





「ビッ◯マックを下さい!!」とは言わないだろう。





そして自分がそれをされたら、目玉の親父も飛び出すほど驚くはずだ。






TPOとテレビの前の皆さんへの気遣いは大切である。






それに今後、気をつけてくれないと吾輩の膝がもたない。






膝の皿だけ高性能の機械にしてもらわないと、皿が粉々である。






皮膚がも剥がれて骨が、こんにちはをするかもしれない。








本当にある意味で粉骨の砕身になってしまう。







そんな姿で出勤したら職場でホーラ◯マンみたいと揶揄われてしまうだろう。







膝用のプロテクターを毎日差し入れとかされてしまうかもしれない。






笑い事ではないのである。






世界のにわかファン、ながら観戦者の膝が危ないのだ。







由々しき事態である。







そんなTPOの大切さと膝の皿について考えながら、







吾輩、再度汽車にて出かけようと思う。







今度はまつげの長い金髪の美女を傍らに。







機械の体は手に入るだろうか。



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