2022年11月18日(金)
待ち遠しい。
こんなに焦がれた焦ったいような気持ち。
まるで恋のようだ。
愛しい誰かに抱く、焦ったいもどかしいような、その中にわずかな苛立ちもある。
いや、苛立ちの方が多い気もする。
だが、恋とはそんなもにであろう。
誰かを想うあまり、報われない気持ちが苛立ちに変わる、そんなものだ。
この人は、吾輩をどう想っているのだろう。
どうしてこんなに焦らすのだろう。
そういう趣向なのか?
吾輩、そういうのは苦手なのだが、どうしても待ってしまう。
恋だから仕方がない。
あばたもエクボに思えてしまう、それが恋なのだ。
吾輩には、あばたと苛立ちしか思えないのであるが、まぁそんな恋もある。
そちらが動いてくれないのであれば、こちらから動こう。
何の反応も見せてはくれない。
いじらしい奴め。
そちらがその気なら、こちらは激しく攻めようぞ。
何度となくアクションを繰り返して見るが、どんな反応も見せてはくれない。
常に無表情だ。うんともすんとも言ってくれないのである。
吾輩も、流石に恋心だの言ってられないほどのイライラで満ちていく。
何故だ?
何故、反応してくれない?
これほどまでに求めているのに。
何故なんだ?
何が気に入らない?
何が気に入らなくて、
30分以上も画面を真っ暗にさせているんだ、このポンコツパソコンめ。
こんなに必死でクリックを連打してやっているのに、どうして反応しない?
諦めようと思ったら、何故、画面をチラッと反応させるのだ?
吾輩は、どうすればいい?どうすれば、この気持ちに応えてくれる?
ただ起動して欲しい、それだけなのに。
ファンだけそんなにウィンウィン唸られても困る。
結果を出してくれねば、評価はできないのだ。
頑張ったなんて誰でも言えるのと同じで、
音だけなら吾輩だってだせる。
ウィンウィン、口で言えるぞ。
ひたすら唱えることもできるぞ。
お隣のパソコンのように、音を立てながら起動してみろ。
お前ならできるはずだ。昨日も一昨日もできていたではないか。
そうか、もう良い。分かった。お前とはここまでのようだ。
今さら画面を大量に開いたってダメだ。
そんなミラーボールみたいに画面をチカチカさせてもダメだ。
ディスコやスナックじゃあるまいし。
今はお昼だぞ。営業しちゃいかん。
お隣の人が見てるだろ。
チカチカチカチカさせるから、とても見ているではないか。
それよりメガネに反射して眩しそうだ。
心なしか不愉快そうに見えるのは気のせいか。
というか不愉快なら、見ないでくれ。
うちの子は見世物じゃない。
大きなため息が漏れ、吾輩の任務は終了する。
今日は仕事日和ではないようだ。
よし。
サボろう、こっそりと。
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