第2話 警備会社
ゴクアク警備会社という会社がある。
ルカと社長以外は全員やばい奴が社員だ。半数以上が元受刑者。あとは元ヤクザとか様々な会社で不祥事を起こして解雇されたような人ばかりである。
要は社会の鼻つまみ者たちを好んで集めた会社だ。
仕事内容は、そのヤバさを活かしてトラブル解決を目指すこと。
例えば先日の風俗店の件は、お店と毎月30万円で契約する。従業員の女の子から連絡が来たら我々が向かって解消するというものだ。
新宿歌舞伎町などは風俗店以外にもキャバクラなど100店舗くらいと契約しているので、それだけで毎月3000万円の収入となる。
歌舞伎町だけではない。渋谷、池袋、五反田、錦糸町、鶯谷。
多分関東で1000店舗以上と契約しているであろう。
この会社を設立した社長は凄い。
風俗店側にとっても、トラブル対応用に従業員を増やす必要がなくて助かる。
世の中としても元受刑者の受け入れに貢献している。
警察が介入出来ないようなものでも依頼者の味方となって対応してくれる。
全てにおいて良いこと尽くめと思える会社であった。
なんて理屈の上ではそうなのだが、ルカはどこか納得出来ていない。
犯罪すれすれ。パワハラの観点で言えば完全アウトのスーパーブラック企業である。
GPSで先輩に居場所を把握されていて、何かあれば呼び出される。
だったら辞めればいいと思うかもしれないが、会社に借金を背負わされた弱みがある。
もし辞めるなんて言ったら、そんなヤバい奴らである。何をされるか分からない。
噂ではあるが、過去に逃亡した人は地下室で巨大な歯車をひたすら回し続けているなんて話もあった。
ケイジ先輩がルカの教育係を兼ねていた。
携帯に呼び出しがかかるのも多くが彼からである。もう画面に名前が表示されるだけで全身が硬直するレベルである。
スキンヘッドに頬から下はヒゲを生やしている、見ためだけでヤバい奴だ。
ちなみに先輩たちの本名は社長以外、誰も知らない。この会社ではみんなコードネームで呼ばれている。名刺もその名前で通すくらいの徹底ぶりだ。
タイガ社長。そしてケイジ先輩、チョウ先輩、シンヤ先輩、ケースケ先輩、ライカ先輩などがいる。
ルカの事だけはスーツに履歴書持参で入社したから、みんなに本名は知られていたが『ルカ』とコードネームを付けてもらえた。
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