第3話 あるクセ

(この作品はフィクションであり、経済や行政関連の情報は全く異なります。そのため、実際の政治は〜や、実際の警察は〜などと言ったものは聞き入れません。ご了承お願いいたします。あと、そんくらいのクスリで死ぬわけなかろがい、とかもだめですよ。)


 2月15日 水曜日 雨

 事件名 無し

 詳細


 Mさんは事件記録だと言っていたが、姉貴が見つかるまでの間は日記のように記録をつけることにした。


 昨日の事件について、Mさんはまだ引っかかるものがあるという。それはどうやってだった。最近の警察は、誰が何を買っていたのか、などと言った情報がすぐに分かるようになっているらしい。しかし、今回は何も分からないというのだ。そして今俺たちは前回の犯人、若鷺つぐみが収容されている留置所に来ている。


「何のようですか、探偵さん。」


「いやーあなたが使った青酸カリのね出所が分からんのですわ。」


 Mさんがそう聞いた時、つぐみさんは顔が青ざめていた。まるでかのように。Mさんは続けて言った。


「口にしちゃーいけない何かが関わってるとかですか?例えば、狐の剃刀とか」


「探偵さん、悪いことは言いません。とにかくこれ以上関わるのをやめてください。さもないと、身に危険が生じますよ。」


 時間が経ってしまい面会が終わってしまった。


「Mさん、何で狐の剃刀が関わってるって分かったんですか?」


「加籃君、最近の警察は購入履歴なども見れることは知っているよね。」


「はい。個人的に危険物を買った時は特に。」


「でも、警察は何も分からないと言った、いや分かるわけがないんだ。独自のルートから不法な輸出入をしているにとってはね。」


「でも、つぐみさんは手を引けって言ってましたよね。Mさんまで危険が及ぶかもしれないんですよ。」


「大丈夫大丈夫。心配しないで。君のお姉ちゃんの命もかかってるんだから。それに、私は大丈夫だから。」


 そうMさんは言った。


 彼岸花あの小さなバーに戻ろうとした時、何かにつけられているようなそんな気配がした。Mさんも感づいているようだった。Mさんはそのまま俺を連れて人目のつかない裏路地へと連れて行った。


「あんたらがあの女を嗅ぎまわってるという二人組か。悪いがここでいなくなってもらうぜ。」


 そしてぞろぞろと仲間のような奴らが出てきた。なんか銃を持っている奴もいるし。

(あれ?この話って推理系じゃ,,,っていう野暮な話は置いておこう。)

 Mさんは聞いた。


「あの女というのはつぐみさんのことかい?」


「つぐみだって?誰だそいつは。」


 笑いながらリーダーっぽい男は続けた。


「俺らは、裏切った女について嗅ぎまわっているネズミを殺せ、と命じられただけだ。アイツも馬鹿だよな。この組織を裏切るだなんて。まぁいい、お前らにはここで死んでもらうぞ。」


 そう言った後に一斉に敵が襲いかかってきた。Mさんは隠れていてとだけ言った。これは、日誌などの記録のようなものだから、その戦いについて書き表すのがとても難しかった。


(それほどにも、激しく、探偵であるはずのMさんがまるでのように見えた)


 少しだけ言えるとするならば、目の前から襲いかかってきた、短刀を持った者を小さい子をひっくり返すかのように投げていたり、銃口を向けられた瞬間にMさんは壁を駆け上がり、銃弾に追いかけられながら壁を走っていた。銃をぶっ放していたやつらの弾がなくなった瞬間に、Mさんは次々に蹴り倒し、殴り飛ばしていたりした。全ての人たちを倒した後に、Mさんはまたを握りながら笑っていた。でも今回は何処かに寂し気な感情が混じっていた。


「さぁもう反撃はできないだろうね。もう出てきていいよ、加籃君。さて教えてもらおう誰が君達に命令をしたのかを。そして裏切った女とはだれのことだ?」


 気絶寸前のリーダっぽい人が口を開いた。


「お前は名探偵なんだろ。俺もすべてを言ってしまえば殺されてしまう。だから少しだけヒントをやろう。命令してきたのはある花の組織だ。そして裏切った女というのはこの世に虚言を広める者だ。頑張って探すことだな。」


 気絶したのか何もしゃべらなくなった。


「Mさん、今の情報だけで分かりましたか?花の組織なんて聞いたことないし、この世に虚言を広める者ってのも分からないし。」


「えぇ加籃君、今の話だけで分からなかったの?ちょっと私のヘイスティングスなんでしょ、しっかりしてよね。」


 そう俺のことを馬鹿にしながらいつも通りのやつが始まった。


 ・花の組織ってのは今追っている組織 狐の剃刀のこと


 ・狐の剃刀ってのは、ヒガンバナ科、多年生草本球根植のキツネノカミソリっていう花


 ・この世に虚言を広める者ってのは記者とかの人たちのこと


「もう分かったよね加籃。」


「記者っていうところで姉貴のことって分かったんですが、虚言を広めるってのは何なんですか?」


「簡単だよ。メディアの影響ってのはこの世で一番恐ろしいものなんだよ。例えばだよ、起訴前である被疑者を被告人のように扱い犯罪者としてニュースに流してしまう。じゃあもしその人が無実だったら?確定していない嘘を流してしまったら、その人の人生は終わってしまう。メディアが全てではない、そういう嘘も含まれる。だから人によっては記者とかを虚言を広める者という人もいたりするんだよ。」


「確かに言われてみれば、え、じゃぁ、え?って何ですか。姉貴は狐の剃刀に入ってたってことですか?」


「まぁおそらく潜入捜査みたいなものじゃないかな。密告しようとした時にばれたんだろうね。君のお姉さんも行動力がすごいね。まぁあとは彼岸花で話すか。」


 そういい彼岸花rosarote Spinnenlilieへ向かった。Mさんは彼岸花に入った瞬間に、を頼んでいた。ダイキリしか頼まないと思ってたけど、なんか違和感を感じた。


「さっきの話の続きをしようか、加籃君。2日前くらいに君のお姉さんは、攫われた時に捕まってしまう覚悟があった、っていったこと覚えてるかな?」


「覚えてます。その理由が狐の剃刀を裏切ったってことですか?」

 

「まぁそういうことだよね。裏切者には徹底した罰を、それも奴らの掟だからね。さっきも言った通り、君のお姉さんは潜入捜査をするために忍び込み密告しようとしたところを見つかり捕まってしまった。密告内容は多分違法的な拳銃の密輸ルートだと思うよ。」


「なんでそんなリスクを背負ってまで。危険があったのは分かってたことでしょ。」


「そこなんだよ。いくら闇を暴きたいからと言いながら、ただの記者が犯罪組織に入り込むのは普通じゃない。加籃君、君のお姉さんは本当に記者の仕事だったの?」


「はい。実際にいつも締め切りに追われていたり、できた記事は俺にも見せてきました。怪しいところと言ったらたまに夜中に家を出ていたことくらいです。」


 Mさんは考え込んだ。


「あとMさん。キツネノカミソリの存在意義って何ですか?なんでそんな危険な組織ができたんですか。」


「私もある人から聞いただけだけど狐の剃刀の存在意義はこのy」


         『ガシャン!!』


 突然大きい音が鳴った。どうやらマスターがグラスを割ってしまったらしい。


「すみません。」


 低くそして包まれるような優しい声でそう言った。Mさんに続きを聞こうと思ったが今はまだ早いかもしれない、そう言い話は終わってしまった。そして先に家に戻るように言われた。

 あのバカでかいビルについて自分の部屋に戻った。一つだけ気になったことがある。それはMさんのだ。まだ3日しか一緒にいないからクセと言ってはいけないかもしれないが、気になるんだ。それは状況が変わる所や悩まされる場面に直面すると必ずを握ることだ。まるで何かに祈ってるかのように。これから少しだけ観察してみようと思う。そうすればMさんのことについて知れるかもしれない。


       『ガタン、ゴト』


 何か物音がしたおかげで自分が寝ていたことに気づいた。時間は?昼過ぎから数時間経ちもう日が傾いていた。Mさんももう帰ってきていたみたいだった。自分の部屋を出てMさんの部屋に向かった。Mさんは珍しく料理を作っていた。


「加籃君。ちょうどよかった。ご飯できたから一緒に食べよ。」


 Mさんはそう笑顔で言っていたが、また何か引っかかった。笑顔がいびつだ。スイーツを目の前にした時のMさんの笑顔と違った。それに加えたばこのにおいがした。


「Mさんってタバコ吸ってましたっけ?」


 少し沈黙があった後Mさんは白詰さんが店に来たとだけ言って完成したペペロンチーノを食べていた。食べ終わり、俺は考え事をしたかったため散歩に行くと伝え外に出た。もうあたりは暗くなっていて静かな夜になっていた。すると、白詰さんと会った。ヤマが終わってらしい。


「やぁ、君は確かあいつの助手さんだったかな?」


「加籃でいいですよ。白詰さん。」


「そうかい。加籃君、何をしてるんだい?」


「考え事ですよ。そうだ白詰さん、今日彼岸花に来ましたか?」


「ん?さっきも言った通り、今さっきヤマが終わったんだ。行く暇なんてなかったよ。」


「そうですか。ありがとうございます。」


 白詰さんは不思議そうな顔をしていたがどういたしまして、といい別れかけた。


「そうだ!加籃君。君ってお姉ちゃんがいたりする?」


「いますけどなんでそれを?」


 白詰さんは少し考えこんだあと、刑事の感だよ。、と笑いながら帰っていった。あの人も何か隠しているのだろうか?とりあえずここまで。全てわかるまではこの日誌も隠しておこう。

              福寿加籃


    ー時間をさかのぼって今日の朝ー

 とある廃工場に半グレ集団が麻薬の密売をしていた。この半グレ集団は意外と有名だ。狐の剃刀にあこがれた輩が集まり、サンギネアと名乗り悪だくみをしていたが、勢力が強まりとうとう武器まで持ち始めた。リーダーである男が口を開く。


「なぁ。もうそろそろ狐の剃刀に勝てんじゃね。アイツらのメンバーだってあまり知られてないし。」


 そういったとき、仲間の大人が何か怪しげな手紙を持ってきた。そこにはこう書かれていた。


『サンギネア様御一行へ

   武力には武力で。犯罪には犯罪でしか対抗できない。』


「なんだこれ。こんなのどこd」


 リーダーが聞いたときに目の前は赤い水たまりで足の踏み場がなかった。周りにいた仲間たちもそれを見て悲鳴を上げた。敵襲だ。そう気づいたときには、入り口に黒服の大人たちが銃を持ち、発砲準備に入った。目の前に黒い影が通った時に弾丸の雨が降った。なぜかリーダーだけには当たらずに。周りが赤とタンパク質の欠片でいっぱいになった時にでオールバックの大人が入ってきた。気づいたときには、拘束され黒い影に銃を押し付けられていた。


「こんにちは。君がサンギネアのリーダーだね。ずいぶん暴れてたみたいだけど。反抗期かね。なぜこんなことをしているんだい。」


 白髪の大人は聞いた。


「うるせえ。お前等何もんだよ、急に攻撃しやがって。」


「口の利き方には気を付けろよガキが。質問に答えろ。」


 白髪の大人の口調が変わった。


「何のことだ」


「とぼけるなよ。我々に攻撃を仕掛けようとしていたじゃないか。」


「お前なんでそれを。」


「あまり勢力を広げると仲間の区別がつきづらくなる。君に手紙を届けたのは本当に仲間かね?」


 リーダーの目の前で死んだはずの大人が起き上がった。


「お疲れ様。待雪」


「本当だよ。このスーツ高かったのに。弁償してよ。夏水。」


「わかったよ。」


「ちょっと待てよ。」


 顔面蒼白のリーダーが言った。


「狐の剃刀がこんなに強いなんて聞いてないし、こんなに仲間がいるなんて知らないぞ。狐の剃刀はただのペーパー組織だって、おかしい!こんなの。」


 すると夏水と言われていた白髪の大人は言った。


「弱いとも、仲間が少ないといった覚えはないがな。この仲間たちの顔は全員知っている。それがトップの仕事だろ。」


「あんた、もしかしてあの噂の夏水s」


「君は、私たちの理想の世界にいらない。それに君は私の組織のメンバーの名前を知らないといったね。違う。名前が残らないほど強いんだよ。もういいかな。紫君もういいよ。」


「待ってくr」


 乾いた『パン』という音が響きリーダーの両脚の腱が打たれていた。もがき苦しむリーダーを見ることなく黒服の大人たちが大急ぎで何か準備している。全員がいなくなり、彼らが遠くまで行ってしまったときその廃工場は跡形もなくなったかのように爆発した。


「ねーねーボス。今日も頑張ったからご褒美頂戴!!」


待雪と言われていた者と紫と言われていた者は口をそろえてそう言っていた。


「ボスとは言うなって言ってるよね。本当に君たちは。」


そんな話をしながら彼らは暗闇に消えていった。


     ー福寿 綾梅の処刑まで

               あと42日ー


本日の豆知識

rosarote Spinnenlilieのマスターの名前は 森 櫻 といいます。

Mさんのことをよく知る人物ですが何か秘密がありそう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る