第163話 総攻撃
【宣伝】
いつも拙作をお読みいただき誠にありがとうございます(*ᴗˬᴗ)⁾⁾
皆様のおかげで、下記作品の第2巻が4月中旬にアルファポリス様より発売されることになりました!
『異種族キャンプで全力スローライフを進行する……予定!2』
こちらの作品も応援いただけますと幸いですm(_ _)m
素晴らしい書影も公開されておりますので、イラストだけでも見ていただけると嬉しいです!
https://kakuyomu.jp/users/iwasetaku0613/news/16818093074863994909
―――――――――――――――――――――
「いくぜ! 総員、投擲開始!」
「撃てえええ!」
「「「うおおおおおお!」」」
ディアーヌ様の号令により、カースドラゴンの変異種を取り囲んでいた味方が一斉に聖水の入った瓶を投げた。それと同時に城壁の上で指揮を執っていた国王様の号令によって投擲機の聖水がドラゴンを目掛けて発射される。
「GRUOOOO!」
聖水の入った瓶がドラゴンの身体へ当たり、瓶が割れて聖水が掛かる。すると蒸気が発生して明らかにドラゴンが苦しんでいるような声が周囲に響き渡った。
「よし、やつの肌の色が漆黒から赤黒い色へと変色していやがる! そのまま魔法部隊撃てえええ!」
「こちらも撃てえええ!」
一番最初に聖水を試してみた時のようにドラゴンの全身の肌の色が赤黒い色へと変色していった。今の状態ならカース化の特性である不死性が失われてダメージが入るはずだ。
「ファイヤーランス!」
「ウインドカッター!」
「ウォーターフォール!」
前衛部隊が一斉に聖水を投げたあとは一度後退し、今まで魔力を温存していた魔法使い全員による強力な魔法がドラゴンへと発射された。城壁の上からの魔法も見事にドラゴンへと的中する。あまりの威力の魔法により、周囲に土煙が巻き起こり、巨大なドラゴン身体すらも見えなくなる。
「……やったか?」
「GRUAAAAAA!」
「うぐっ!」
「きゃあ!」
「うわっ!」
国王様の完全にフラグとしか思えない言葉のすぐ後にドラゴンが巨大な咆哮を上げた。この声は相当な大きさで、城壁の上にいる俺たちでも耳を塞がなければまともに立っていられないほどだ。
「……ぐっ、駄目であったか。だが、かなりのダメージは与えられたようであるな」
土煙が晴れた場所にはまだドラゴンが立っていた。しかし、その身体は無傷というわけにはいかなかったようで、身体の所々に大きな損傷を与えていた。一部の肉はえぐれ、その身体から血なのか分からないが緑色の液体が流れ出ていた。
「ちっ、なんて馬鹿でけえ咆哮だよ! だが、今がチャンスだ! 魔法使いは次の魔法の準備、前衛は一気に突っ込むぞ! 魔法だけじゃねえ、俺たちの力を見せてやるぜ!」
「「「うおおおおお!」」」
ディアーヌ様の号令で、魔法使いは次の魔法を放つ準備をし、前衛の騎士や冒険者たちは一斉にドラゴンへと襲い掛かる。
ドラゴンの肌の色はまだ元の色に戻っていないから、しばらくの間は聖水の効果が残っているはずだ。今回の魔法使いの一斉掃射で倒せなかった場合には前衛が一気に仕留める予定だったが、ドラゴンの巨大な咆哮により出鼻をくじかれた。
しかし、ディアーヌ様の号令により、他のみんなは冷静さを取り戻し、予定通りの行動へと移る。
「はあああ!」
「うおらあああ!」
ドラゴンも一気にダメージを受けたせいか、大きな動きを見せない。今なら近接の攻撃も通る。
「くそっ、思ったよりも固い! 攻撃が少ししか入らないぞ」
エルミーも最前線でドラゴンに攻撃を加えているが、少ししかドラゴンの肌を傷付けることができない。ドラゴンの鱗や肌はかなり強固なので、スピードを一番の武器にしているエルミーとは少し相性が悪い。
「エルミー、ここは私に任せておきたまえ。いくぞ、
「儂も久しぶりに血が滾るぞ! はあ~メテオストライク!」
「GRUUU……」
ティアさんの巨大な斧による重い一撃がドラゴンの肌を鱗ごと切り裂く。そしてアニックの街の冒険者ギルドマスターであるターリアさんの強力な拳の一撃がドラゴンの頭を揺らす。
さすがのカースドラゴンの変異種もダメージを受けているように見える。エルミー達と同じAランク冒険者のティアさんの重い斧の一撃、そして元Aランク冒険者のターリアさんの強力な拳による一撃、そして他の冒険者たちの攻撃も間違いなくドラゴンにダメージを与えている。
……しかしターリアさんの拳はただのストレートにしか見えないな。いや、もしかしたら何らかのジョブの力もあるのかもしれないけれど。
「ヒュ~冒険者もやるじゃねえか。おら、てめえらも王都最強の騎士団だろうが! 俺たちも負けてる場合じゃねえぞ! 女なら根性入れろ!」
「うおおお!」
「騎士の力を見せてやる!」
第一王女であるディアーヌ様の号令により、王都の騎士団の士気もさらに上がる。カミラさんたち王都の騎士団の精鋭もさらに攻撃を与え続ける。
ドラゴンの鱗や肌は固く、身体が巨大なこともあって、少しずつしかダメージを与えられていないようだが、間違いなくダメージは入っている。聖水を一気に当てたおかげか、まだドラゴンの肌の色は戻っていない。このまま攻撃を続ければ行けるはずだ!
「GRUAAAAAA!」
またしてもドラゴンが巨大な咆哮を上げる。しかし、先ほどとは様子が違う!
「ちっ、総員警戒!」
ディアーヌ様の号令により、ドラゴンの周囲にいた者が距離を取る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます