第133話 嫌な予感
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「それではお世話になりました」
「ああ、またいつでも大歓迎だぜ!」
「またいつでもお越しくださいませ!」
「ソーマお兄ちゃん、また来てね!」
次の日の朝、村を出て王都へと向かう。予定通りいけば、今日の夜には王都へと到着する予定だ。
ドリエさん、マガリスさん、マイスくんや村の人たちが村の入り口まで見送りに来てくれた。村を出て馬車で道を進んでいくと、見えなくなるまで手を振ってくれていた。
こういうのは本当に嬉しいんだよね。王都に来ることは何度もあるだろうから、その際はまた村に寄らせてもらうとしよう。
「それにしても今回の道中は順調すぎるほど順調なようだ」
「前回は行きと帰りでいろいろとあったからなあ」
「今回は何事もなく無事に王都へ着きそう」
「………………」
そんな元の世界ではフラグにしか聞こえない会話を馬車の中で聞いている。昼食をとってもう少しで王都に到着というところまでやってきた。
まあ、フラグのことは置いておいて、前回王都への往路では本当にいろいろとあったからな。みんながそんなことを言う気持ちはものすごく分かる。闇ギルドの暗殺者たちに襲われたり、初めて部位欠損した患者を治療したりと大変だった。
「おう、もうすぐ王都に到着するからな。いやあ、今回は面倒なことが起きなくてよかったぜ!」
「………………」
御者のポーラさんまでそんなことを言う。まずいな、ここにきて連続でフラグを立てられると嫌な予感しかしない。
「……っ!? ちょっと止まるぞ!」
「うわっ!?」
どうやらそんな嫌な予感が的中したらしく、馬車が急停止した。
「ご、ごめんフェリス!」
「ああ、全然大丈夫だぜ!」
馬車が急停車すると必然的に慣性の法則に従って、隣に座っていたフェリスのほうへ身体が流れる。フェリスは俺の身体を抱きしめるように支えてくれたが、その際にフェリスの大きな胸にダイブしてしまった。
……いや、元の世界なら男の胸に女性が飛び込んでくるのはドンと来いなのだが、逆の場合は女性特有の柔らかな感触の胸があるからな。みんなは全然気にしていないようだが、さすがに俺はドキドキしていた。
おっと、そんな状況じゃなかった! いったい何があったんだ!
「ソーマ様!」
「ティアさん、何があったんですか!?」
何が起きたのか気になっていると、少し前を走っていた馬車に乗っていたティアさんたちが馬車から降りて、こちらの馬車までやってきた。
「どうやら前の護衛部隊のほうで何かあったようです。我々は予定通り、ソーマ様の援護を!」
ティアさんたちは何かあった際は俺がいる馬車をエルミーたちと一緒に護衛することになっている。ティアさんたちも前で何かが起きたくらいのことしかわかっていないようだ。そう思っていると、前の護衛部隊のほうから伝令の人がこちらにやってきた。
「伝令! どうやら魔物の大群が現れたようです! みなさんはこのまま馬車に待機でお願いします! もしも不測の事態が起こった場合にはもう一度お伝えしにきます!」
「我々も助力するべきか?」
エルミーが伝令の人に尋ねる。確かに魔物の大群が現れたという状況なら俺たちも助力したほうがいい気もする。
「いえ、数は多いのですが、それほど驚異のある魔物はいないようです。今のところは我々だけで十分に対処できそうなので、みなさんはソーマ様の安全を第一でお願いします!」
「ああ、わかった。もしも私たちの力が必要であれば遠慮なく頼ってくれ」
「ありがとうございます、そのようにお伝えします!」
どうやら護衛部隊のほうで対処はできるようだ。
そういうと伝令の人は、俺たちの後ろにいる護衛部隊のほうへ向かっていった。そして一部の部隊を後ろに残して、前の護衛部隊の方に合流していく。
「フェリスはこのまま馬車の中でソーマについてやってくれ。他のみんなは馬車の外で周囲の警戒を頼む」
「「「了解!」」」
エルミーの指示で、みんなが行動を開始する。馬車の外を見るとみんなが武器を構えて周囲を警戒している。むしろカミラさんたち護衛部隊のほうが気掛かりだが、この対応は事前にみんなで打ち合わせをしていたこと。
ここで俺がひとりでおかしな行動をしてしまった方が、みんなを危険にさらしてしまうだろうから我慢するしかない。
「お待たせしました、無事に魔物を殲滅することができました」
馬車が止まってから20分ほど経って、前にいた護衛部隊のひとりがこちらにやってきた。無事に魔物の大群とやらを護衛部隊のみんなで倒せたらしい。
「よかった。怪我人がいたらすぐに治療します!」
伝令を伝えに来てくれた人も魔物の返り血をかなり浴びている。このことから考えると、結構な怪我人が出ていてもおかしくはない。
「ありがとうございます。多少怪我人もおりましたが、ソーマ様からいただいておりますポーションですでに全員治療済みです。現在は倒した魔物の始末と血を落としているところなのでしばらくお待ちください」
「わかりました」
どうやら事前に渡していたポーションが役に立ったようだ。そして大きなけがを負った人もいなかったようでなによりだ。
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