ラのゴジュウゴ「注目の的」
桜花をそこへ連れて行くことは躊躇したものだが──それでも、力になりたいと言って聞かなかった。
助言だけではなく助力までも桜花に借りることになってしまったが、心強い限りである。
協力者になってくれた桜花を、劉生は八百万九十九組の屋敷へと連れて来ていた。
怪しい門構えの屋敷の中へ連れ込もうとしているのだ。それなりに覚悟は必要であろうが──桜花は何の迷いもなく、劉生の後に続いて屋敷の門を潜ったのであった。
それ程に、桜花は劉生のことを信頼してくれているらしい。
──或いは、超人的な身体能力を持っている桜花からすれば組一つなど恐れるに足りない存在ということの表れなのかもしれない。さすがに、前者の意味であろうが──。
一歩敷居を跨ぐと、組員たちから警戒の眼差しが向けられた。
劉生の顔は助野の客人として覚えてくれている様だが桜花の顔は──警戒を強め、様子を見ているらしい。
そんな鋭い視線を向けられたが、桜花は顔色一つ変えることはなかった。
そして、歓迎されないムードの中、劉生は桜花を案内して助野の元へと向かったのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます