第4話

キーンコーンカーンコーン


「今日の授業はここまで、しっかり復習しとけよ〜」


ガラガラ


六限目の授業が終わり先生がドアを開け出ていく。


授業が終わり、帰る準備をする。今日は俺の好きな漫画の、最新刊が出ているので、買って帰る予定だ。


荷物をカバンに入れ、帰ろうとした所、美海さんが近ずいてきた。


嫌な予感がする。


「翔くん。一緒に帰らない?」


嫌な予感は的中したらしい。眩しい程の笑顔で言ってくる美海さん


「い、いや・・・・今日はちょっと・・」


断りにくいが、俺は帰って漫画の新刊を読むんだ!この笑顔に負ける訳にはいかない!


そう思って断ろうとすると・・・・


「ダメ?」

「?!」


目をウルウルしながら言ってきた。


「だ、ダメじゃないです」


美海さんのあまりの可愛さに、負けてしまったのだった。


「よし!早く帰ろう」


そういうとノリノリで歩いて、ドアへ向かう美海さん。


新刊よ。明日こそは絶対に買いに行くからな。


重たい足を一歩づつ、ドアの方へ向け歩いていく。


神よどうか私を救いたまへ。


手を合わせ信じてもいない神に祈る。


何か俺虚しいな。


「何してるの?頭大丈夫?」


ドアの外に出て待っていた美海さんが言ってくる。


「・・・別に。ただ神様に祈りたかっただけ」

「・・・・大丈夫?病院に行く?」


誰のせいで神に祈ってると思ってるんですか?


あなたのせいですよ?


今思っている事は心の仲に留めて置くことにする。


「・・・・大丈夫だから。早く帰ろう」


そう言っていそいで教室のドアを出る。


「フフッ変なの」


美海さんがクスクスしながら、俺の隣に来た。


「ねぇカフェでも寄って帰らない?」

「断る!」

「え〜いいでしょ!寄ろうよ!」


俺の腕を掴みながら、揺さぶってくる。だが絶対に、カフェには寄らないからな。美海さんと一緒に帰るだけでも、目立つのにカフェに寄っている所を誰かに見られて見ろ。平凡な陰キャ生活が過ごせなくなってしまう。


そもそも平凡な生活は、今の状況を見る限り出来ていないのかもしれないが。


「嫌だ」

「ムゥ!」


頬っぺたを大きく膨らませる美海さん。


か、可愛い!?


「ほ、頬っぺたを膨らませたって、ダメなもんはダメだ!」

「・・・・そっか」


珍しく落ち込んでいる。


「そうだよね。ごめんね。私ワガママ言って。翔くんは当たり前のことを言ってるだけだもんね」


シクシクと泣き始める美海さん。


「お、おい・・・泣くまでじゃないだろ?」

「ごめんね」


『あいつ美海さんを泣かせてるぞ!』

『陰キャの癖に生意気な!』


周りがコソコソ言い始めた。


「わ、分かったよ!行くよ!」

「本当に?」

「・・・・あ、あぁ」

「ありがとう!」


先程まで泣いていたのが嘘のような笑顔で言ってくる。


まさかはめられた?


「じゃあ行こうか!」


く、クソーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー腹黒女めー


こうしてカフェ二行く事が決定したのだった。


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