第2話

キーンコーンカーンコーン


「今日の授業はここまで」


そう言って数学の先生が出ていく。俺が一番嫌いな教科だったので、長く感じてしまった。


さて。昼ご飯を食べる為にいつもの所に行くとするか。俺は、母親が作った弁当を持って移動をした。



ガチャ。


屋上に入り、一番隅の目立ちにくいところへ行く。ここは日陰にもなっていてちょうどいい。


俺は座って、弁当を食べようとすると


「翔くん。私を置いて行くなんて、ひどいんじゃない?」


はぁ〜。安らかな一時が終わってしまった。一時も無かったかもしれない。


「私も一緒に食べるわ」


そう言って美海さんは、俺の隣に座り弁当を広げていた。


「相変わらず、翔くんのお弁当美味しそうだね。お母さんの愛が篭ってるよ」

「そ、そうかな?」

「うん。毎日作ってくれてるんだから、愛されてる証拠だよ」


そう美海さんが微笑んで言ってきた。


「美海のさんだって、美味しそうなお弁当だよ」

「本当?これ私の手作りなんだ」


何と美海さんの手作り弁当だそうだ。


「美海さんってお弁当の時は、お母さんに作ってもらわないの?」

「作って貰う時もあるけど、今日は私が作ったの」

「そうなんだ」


料理も出来るのか。まぁ当然か。


「ねぇ。おかずの交換しない?」

「いや・・それはちょっと」

「だめ?」


美海さんが上目遣いで言ってきた。


「・・わかった」

「ありがとう。じゃあ卵焼き貰うわね」


そう言って俺の弁当から、卵焼きを取って食べた。


「うん。美味しい!翔くんのお母さんは料理の天才だわ」

「それは良かった」


自分の母親を褒められると嬉しいもんである。


「翔くんには、これを唐揚げをあげる」

「ありがとう」


俺は箸でとろうとしたが、弁当を避けられてしまった。


「翔くん。あ〜ん」


そう言って俺の口に近ずけてくる。今これを食べれば、関節キス。いいのか?本当に食べていいのか?


俺は頭がパニック状態になり、顔が赤くなっているのが分かる。


「翔くん顔赤いよ?ほら早くあ〜ん」


俺は唐揚げに口を入れようとした瞬間か


「な〜んてね。状態だよ」


そう言って俺の弁当の中に唐揚げを置いた。


「もう!からかわないでよ!」

「ごめんごめん。翔くんの反応が面白くって」


俺は照れているのを隠すように唐揚げを食べた。


「どう?」

「美味しい」

「それはよかった。翔くんの為に作ったかいがあったよ」

「!?」


顔がだんだん赤くなっていく。


「早く食べよ」


今日も俺の学校生活は続いていくのだった。







後書き

2話目。評価よろしくお願いします。フォローよろしくお願いします

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る