第13話 上落
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目を開ける。明るい…。朝だ。
今日は土曜日だ…。部活がある。
背中になにかのっかっているような感覚がする体を頑張って起こした。
準備をし、自転車に乗って寒い空気の中道を駆け抜けて行く。
白い吐息が目の前に浮かび、空に消えていくのを見ながら昇降口まで行く。
「まだ開いてない…。」
少し早く来すぎたかなぁ。
冷たい空気に浸されながら待っていたら、仲間が次々と来て、元気良く挨拶してくれた。
そして昇降口が開き、仲間と一緒に入っていった。
「眠い………」
「え、眠いの?昨日何時に寝たんだ~??」
えーっと…
「23時……。」
「奏………。いっつもあんたは寝るのが遅いんよ……。」
「ごめんってば…鈴音………。」
鈴音はほんとにお姉さんみたいだなぁ。
私が今話してる相手は「鶴野鈴音」だ。
姉御肌で面倒見がよく、私の睡眠時間が少ないことを気にしている。ちなみに話のノリも良い。
いわゆる私と真逆タイプだ。
でも友達としてやっていけてる。
鈴音はほんとにいい子なんだよね。
鈴音と話しながら音楽室まで移動した。
______「はい。それでは、パート練になりますが、次の発表に繋がるような練習にしましょう。では、練習に移ってください。」
顧問の話が終わり、私はスネアドラムに愛用のバチを乗せて持った。
「どこで練習するー?早く場所取らないと他のパートに取られちゃうよ〜」
「うーん…。渡り廊下でやろうか!よし!決まり!」
相変わらず即決を下すのは江川梨恵(えがわりえ)だ。
パートリーダーのパートリーダーをやっている。だが、元々パートリーダーだった訳ではない。
最初の方にパートリーダーになった長澤琴音(ながさわことね)というパーカッションの才能にありふれた子がいた。
だが、学校のトラブルで学校にも、部活にも来なくなってしまった。
なので臨時でパートリーダーを決め、梨恵になった。
私も最初からパーカッションだったわけではない。元々チューバ、コルネットと訳ありでパート転々とし、結局はパーカッションになった。パートがやっと決まったのはいい。
だが1つ、問題がある。
それは、「いじめ」だ。
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