第11話 意識

…………………っ!

目が覚めた。

東雲の空が広がっている。朝だ。


_______『………お願いだ!…幸せになってくれ!』

言葉を思い出す。

幸せになってくれ、かぁ。

…………………。

私、あの子を傷つけてたんだなぁ。

密かに心に届いている感情で。

痛いんだろうな。苦しいんだろうな。

でも…幸せになるって…どうすればいいんだろう…?

…………………。

ダメだ。考えても埒が明かない。

ちょっとずつ真相にたどり着ければ…。

『痛くて痛くてたまらない…。』

ダメだ。


どうすればいいのかわからない…。

ごめんね。すぐには幸せになれないと思う。

私も頑張る。今の気持ち、生活から抜け出したいのは私も同じだよ。

でも、なんでだろう。

こんな気持ちを抱く原因がわからない。

原因がわかるまでは辛いままだろう。


最近「わからない」ことも増えてきたな。


そう思いつつ、私は重たい体を引きずり下ろすようにベッドから出た


◇ ◇ ◇

とある時の放課

突然歌いたくなったので、あまり人通りのない階段に行った。人はいない…はず。

「…わっ!」

「…ぅわっ!」

そこにいたのは、1つ年上の「大谷修斗」だった。

一応先輩だが…なんというか…先輩として見れない………というか……うーん…。

「なんでここにいるんだよ」

「え、あぁ。ここは声の響きがいいから歌うのにいいんだ。」

……何普通に会話してんだが。

私1人だと思ったのに………。

シーン…。


気まずい…………………。


何だこの会話の後の沈黙は!ほんっっっとに気まずいっっ!!無理!!

「えぇあぁえっと……はい。」

いやいや、私何言ってんの。コミュ障かいな。

もうちょっとまともに喋れんのかい。


そんな自分に呆れつつ、ただ歌わずに窓から見える景色を堪能していた。


密かに、幸せになれる方法を探していた。


けど、まだわからないが沢山あるんだ。


ごめんね。もうちょっとだけ我慢してくれ。



またもう1人の私に会いに行くよ。


そのような想いを持ちながら過ごす1日だった。

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