「人生」という遺書

第9話 意味

…なにで傷つけようか。

カッター、裁縫道具のハサミ（結構でかい）、彫刻刀（先が尖っている）…。

とりあえず全部試そうかな。

まずはカッター。

カチカチッと音を出しながら出てくる刃。

ちなみに、刃自体が錆びついていると膿んでしまう。なので必ず錆びついていない刃でやったほうがいいと言われる。

_________。

左腕に軽い痛みが走る。まずは軽くつけてみた。特に傷もつかず、痕も残らなかった。

「強くつけないとダメなのかな…。」

人差し指に力を入れ、刃の先端を左腕に押し付ける。そのまま右の方に力を入れて移動させる。

…すごい。痕がついた。

そして結構痛い。深くやりすぎたのか？

カッターは切れ味が良かった。

__________。

次は裁縫道具のハサミだ。

ハサミの片方を持って、片方の刃を押し付ける。

ジワジワ来る痛み。そしてだんだん腫れてくる。痛い。

これもいいかもしれない。

最後は彫刻刀。

先端が尖っている形を選んだ。

カッターと同じ方法で傷つける。

__________。

傷が深い。そしてカッターより少し痛い。

腫れるのが速い。

いいな。彫刻刀でやろう。

そして左腕にたくさんの傷がついた。季節的に服は長袖だったので、傷は見られなかった。

自分で自分を罰する方法を見つけたんだ。

血が出たら最高だったのに。

もう1人の自分は苦しんでいたように見えた

夢が覚める時

「やっと楽になれる」

と、言っていた。

どういうことだろうか。

_________わからない。

考えすぎて気分が悪い。寝よう。

もう1人の自分に会えるかもしれない

話を聞いてみようか。