第5話 正体

_______ねぇってば。


白い景色に黒い床というまた不思議な場所に来た。

そして、私の目の前に………誰だ?


________まだわかんないの?

声がハッキリ聞こえてきた

『私だよ。私。もう1人のお前。』

?もう1人の…………お前?

私がもう1人のいるの?

『お前みたいな大した取り柄もなくて、出来損ないクズにやっと会えたよ。』

…私はもう1人の私に嫌味を買っているのか?

とりあえず、気になったことを…

「………い、今までの幻聴は……」

『そう。私が全部呟いたの。』

「………………。」

驚きと焦りで声が出ない。

『ふふっ。いい顔してる。その儚い顔たまらないよ…。顔に泥を塗りたいぐらいだ。』

何故、こんなに恨まれているのだろう。

『お前と私はこの空間だけで会えるんだ。あ、私とこの空間を作ったのはお前だからな?』

「私がこの空間を作った?」

『あ〜…作ったというか、お前の気持ちからだなぁ…。最近嘘をつきまくる、気持ちが晴れない…それはお前の気持ちからだ。』

「私の…気持ちから…。」

言われてみればそうだ。最近嘘をつく、気持ちが晴れない…。こいつ。私の全てを知っていそうだ。

『あ、そろそろこの空間がゆがみ始めたねぇ。お前と私の会話が終わる。』

…そろそろ夢から覚めるのか。

『それじゃあねぇ〜…………。あ。』



『必ずお前を殺してやる。』

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