めっっっちゃくちゃ引き込まれて読みました！

最初の、未来SFの世界にあるリアルな生活感にまず引き込まれました。無線脳波制御による超未来的な設定にある、アナログな動線とその納得感。コーヒー飲みたいな〜からのブリッジコーヒーまみれはものすごい納得感でした。

宅配便と申しますか運送業者としての、宇宙船業務そのものも、独特の非日常と日常がかいまみえて、主人公のアサギさんのキャラの妙味を感じます。

極めて小市民的な、少しアウトロー気取ってるようなアサギさんが、得体のしれない少女を助けるところ、とてもかっこいいです。いい人〜〜！となりました。

そのあとの、戦闘がまた痺れます。違法高角砲！　ロマン。謎の少女の行動とともにとてもワクワクしてしまいました。

最後、ブラックホールの果てから来た少女とのいきなりの親子関係。
ここでアサギさんの日常が壊れるわけではなく、ポラリスという非日常がアサギさんの日常に馴染むのがとても好みの展開でした。

こういう、エンタメコメディのSF大好きだなあ！　大好物だなあ！　と改めて噛み締めさせていただきました。

ありがとうございます！

「現実ではありえない『感覚』」を文章でエミュレート……疑似的に作り出すような作品がとても好きなんですが、本作、その好みに真正面からはまってくれました。宇宙船の操縦感とか亜空間航行の出入りの瞬間とか射撃の感覚とか、経験してないはずなのになんか「わかった感じ」がするのがとても心地良いです。
良いものを読ませていただきました。ありがとうございました！

読み終えた後、思わず連載版が無いか探してしまいました。短編のみだなんてもったいない作品です。
ノリの良い主人公の語り口調に加えて、世界観構成がしっかりしているのもあって、読みやすいのに分かりやすいを実現していて、とても面白かったです。
気が向いたら、連載版が読めると嬉しいですね。