27話  最後の切り札

こうなったら切り札だ。


俺は魔剣を取りだす。


そして全力の威圧で相手の動きを止めて一点集中の一撃。


これが最後の手段だ。


「いくぞ」


俺は駆け出す。


「来い」


ウィザードは迎え撃つ構えをとった。


俺とウィザードの距離が縮まる。


「【サンダーボル――」


その時だった。


「はああっ!」


俺は全力の威圧LV.500を放つ。


「ぐっ……」


ウィザードは怯んだ。


今だ。


「疾風怒濤!」


俺は剣技を放つ。


この技は魔力を込めた連続攻撃を繰り出すものだ。


俺は全神経を集中させた。


「ぐあぁっ!」


ウィザードは血を流している。


このまま押し切る。


「はあああ!」


俺はさらに追い打ちをかけた。


「ぐふっ……」


ウィザードは膝をつく。


あと少しだ。


俺はとどめを刺すべく剣を振り上げた。


「くらえ!」


俺が振り下ろすと同時にウィザードも動いた。


「【ダークブレード】」


黒い刃が俺の腹部を貫く。


「ぐっ……」


「はあ、はあ、私の勝ちだね」


ウィザードは笑みを浮かべた。


だが、その表情はすぐに変わることになる。


なぜなら俺が反撃を開始したからだ。


「はあ、はあ、はあ……」


俺は荒い息を吐きながら立ち上がる。


「な、なぜ立てる!?」


「言ったはずだ。これで最後だと」


俺は【ヒーリング】を発動して傷を回復させる。


そして魔剣を構えた。


「くらえ……」


「ひっ!」


俺の気合に圧されたのかウィザードは尻餅をつく。


そしてフードが落ちる。



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