28話 ウィザードの正体

ウィザードはそれはとても綺麗な美少女だった。長い銀髪に赤い瞳、整った顔立ちにスタイルもいい。


だが今は恐怖に染まっているが。


「こ、降参するから許して」


彼女は震えながら懇願した。


「それはできない」


「そんな……」


「お前は俺を殺そうとした。だから殺す」


「ひぃっ」


彼女は体が硬直する。そして股間からは水が流れ始める。失禁したようだ。


俺は剣を振り上げる。


「や、止めて……」


「死ね」


俺は剣を振り下ろした。


「きゃああああ!」


彼女の悲鳴がダンジョン内に響き渡る。


次の瞬間恐怖で気を失い、惨めに失禁を繰り返している少女の姿がそこにあった。


「美少女を殺す趣味は俺には無い」


俺は振り返り仲間の元へと戻る。


戻ると三人は腰を抜かして座りこんでいる。


三人とも地面には水溜りもしっかり作っている。


それで思いだす。


威圧の余波に当てられたか。


「大丈夫か?悪いけど立てないなら担いでいくしかないんだけど」


「あーうん大丈夫」


「問題無い」


「わ、私も大丈夫です」


どうやら動けるらしい。


まあ、とりあえず街に戻ろう。


俺は彼女達を連れて地上に戻った。

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