25話 四天王との死闘 マレー 出陣

俺は前に出る。


「うん、任せるね」


サラは後ろに下がった。


「さあ、決着をつけようじゃないか」


俺は槍を構えて言った。


「いいでしょう」


スレイヤも剣を構える。


そして俺たちは同時に動いた。


「はああ!」


「てりゃあ!」


お互いの攻撃がぶつかり合う。


力は拮抗しているようだ。


「なかなかやりますね」


スレイヤは感心した様子だ。


「お前こそ」


俺は称賛の言葉を送った。


「でも、僕の勝ちだ!」


スレイヤは一気に力を込めてきた。


「くっ……!」


俺の身体が宙に浮かぶ。


まずい、このままだと壁に激突してしまう。


『マスター!危ないです』


ルーナが叫ぶ。


「分かってる!」


俺は壁際に移動しようとするがスレイヤがそれを阻む。


「逃がしはしないよ」


スレイヤの追撃が襲ってくる。


「ちっ……」


避けられない。


ならば、迎え撃つまでだ。


「【サンダーボルト】」


俺の魔法が炸裂する。


「なに!?」


スレイヤは直撃を受けて怯んだ。


今がチャンスだ。


「はあっ!」


俺は渾身の一撃を放つ。


「ぐっ……」


スレイヤの肩を捉えた。


さらに連続で攻撃を入れる。


「くっ……」


スレイヤは後退りする。


まだ倒れないか。


ならもう一度くらわせればいいだけだ。


「【サンダーボル――」


その時だった。


「【ダークブレード】」


突如現れた黒い刃が俺を襲った。


咄嵯に回避行動をとる。


ギリギリで避けることに成功した。


「誰だ!」


俺は叫んだ。


「まさか避けられるとは思わなかったよ」


そこにはフードを被った人物がいた。


男なのか女なのかすら分からない。


「お前は何者なんだ?」


俺は質問をした。


「私は魔王様に仕える四天王の最後にして最強の戦士。その名もウィザードだよ」


その人物は答えた。


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