24話  四天王との死闘 その5

そして戦いを見守っているだけでまだ動きを見せない最後の四天王もいる。


「あとは君だけだね」


サラはスレイヤに話しかける。


「そうですね」


スレイヤは静かに答える。


「じゃあ、覚悟してもらうよ」


サラは構える。


「僕だって負けません!」


スレイヤも身構えた。


「【ファイアボール】」


サラは火の玉を放つ。


「そんなもの効きません!」


スレイヤは避けることなく受けたが無傷だった。


「【アイススピア】」


続けて氷柱を放った。


「無駄ですって!」


スレイヤは余裕で避けた。


「やっぱり、直接叩くしかないみたいだね」


サラは拳を構えた。


「その通りです!」


スレイヤは剣を構える。


そしてお互いに接近して打ち合いが始まった。


「はぁ!」

「ふっ!」


二人は激しく攻防を繰り広げる。


互角の戦いに見えるが徐々にサラが押され始める。


「ぐぅ……」


やはり、魔力では勝てないようでサラは苦しそうだ。


「どうしたんですか?先ほどまでの勢いがないですよ」


スレイヤはニヤリと笑う。


「まだまだ!」


サラは諦めずに反撃するが、次第に防戦一方になる。


「うわっ!」


ついにサラは吹き飛ばされてしまった。


「勝負ありましたね」


スレイヤは不敵に笑っている。


「くそー!」


サラは悔しそうだ。


『サラさん!』


ルーナは心配そうな声を上げる。


「大丈夫だよ」


サラはすぐに立ち上がった。


「へえ……。まだやるつもりなんですね……」


スレイヤは余裕の表情だ。


つまりここまでだな。


「よくやったなサラ。ここからは俺がやる」



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