15話 そして新たな仲間がもう一人

『実は最近魔物の動きが活発になっているのです。その影響で聖水が枯れてしまいそうな状況になっています。このままでは皆が困ってしまいます。ですから、どうか力をお貸し下さい』


「そういうことか……」


俺は納得した。


「それで私たちは何をすればいいのかな?」


サラが質問をした。


『それは貴方たちが勇者だからです。私と契約をして、魔王を倒して欲しいのです』


「契約ってなんだ?」


俺は疑問をぶつける。


「聞いたことがあります。確か魔力を共有することでより強い力を得られるとか……」


エルザは知っているようだ。


「なるほどね。でも、どうして私たちなの?」


サラが尋ねた。


確かにそれが気になるところだ。


『先程、貴方たちの威圧を感じ取りました。あれほどの力を持つ人間はそういません。それに、貴方たちならきっと出来ると信じています』


「そんなに凄かったか……」


俺は苦笑いを浮かべる。


「ちょっと怖いくらいだったよ……」


サラは顔を青くしている。


「まあ、やるしかないだろう」


俺は覚悟を決めた。


「わかりました。引き受けましょう。ただ、一つ条件があります」


エルザは続けた。


「なんでしょうか?」


精霊は聞き返した。


「私たちは仲間を探しているんです。もし良ければ一緒に旅をしてくれませんか?」


「もちろん構いません。是非ともお願いします」精霊は快く了承した。こうして、新たな仲間が加わった。


「これからよろしくな」


俺は握手を求める。


『こちらこそ宜しくお願い致します』


精霊は応えた。


そして、俺たちは湖を離れた。





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