5話 ゴブリンの巣での出会い

〜〜〜


「ここがゴブリンの巣か」


目の前に広がる光景を見ながら呟く。


そこはまるで地獄のような場所だった。


血生臭い匂いが充満している。


死体が至る所に転がっていた。


「酷い有様だね……」

「ああ……だがやるしかないみたいだな」

「うん……やろう!」


俺たちは武器を構える。


そして巣の中に入ろうとしたその時—— 突然、炎の球のようなものが迫ってきた。


「危ない!」


咄嵯の判断で剣を抜き、それを斬る。


すると炎の球は消滅した。


「今のは一体……?」辺りを見渡すとそこには一人の女性がいた。


銀髪の長い髪をした女性だ。


整った顔立ちをしている。


年齢は二十歳前後といったところか。


彼女はこちらに向かって話しかけてくる。


「貴方たち……無事かしら?」

「俺は問題無いが……」

「私も平気だけど……」


すると女性は安堵の表情を浮かべながら口を開く。


「良かったわ……。私はエルザ。『エインヘルヤル』のリーダーを務めている者よ。宜しくね」

「俺の名はミカエル・マレーだ。こちらは仲間のサラ・ハーティス」

「サラ・ハーティスです! 宜しくお願いします!」

「ええ、こちらこそよろしくね」

「ところでさっきの攻撃は君が?」

「そうよ。私の固有スキル『フレアーアロー』を使ったの。敵を自動追尾する攻撃魔法よ」

「なるほど……。凄いな……」


するとサラは興奮気味に話す。


「やっぱりそう思う!? あんなの見たこと無かったもん! 私もいつか使えるようになりたいなって思ってたんだよね!」

「そ、そう……」


少し気圧された様子で返事をするエルザ。


「ところで……貴方たちはここで何をしていたの?」

「私たちは冒険者です! ゴブリン退治をしていました!」

「へぇ……。こんな場所に居ても依頼はあるのね」

「はい! 困っている人は見過ごせませんから!」

「偉いわねぇ……」

「それで、もし良ければ一緒に行動しませんか?」


するとエルザは考え込むような仕草を見せる。


そしてしばらくした後、口を開いた。


「そうね……分かったわ。一緒に行きましょう」


こうして俺たちはパーティを組むことになった。



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