第40話 石切場

翌日、俺たちは石切場に出発することになった。場所はアリステル村との間に山へ駆けのぼる道があるのだがそこを登った先にあるらしい。俺は故郷の近くだというのに全く知らなかった。


馬車はミリアナに任せて俺は馬車の中で休息をとっている。この辺りはフォレストウルフやオークと言った魔物が出るのだが冒険者がよく出入りしているため最近ではあまり現れることはないらしい。


馬車の荷物も全てストレージにしまっていることから馬も楽々と馬車を引いている。


昼頃には石切場に到着した。石切場は騎士が監督を行っており、俺は到着するなり切り出した石が積んである場所まで連れていかれた。


「ここにある石が今切り出しの終わっている全ての石だ。これを全てユーステリアの街まで運んでほしい」


「ここにある石を回収する前に石切の道具であるのこぎりなどの受け渡しを行いたいのですが構いませんか?」


「ああ。それもここに出してくれて構わない」


そう言うことなので俺は石切の道具をその場に出して、石をストレージに格納した。石の数は三百あまり、余裕でストレージ内に収めることができた。ちなみにストレージの容量は三十枠まで増えている。


「では道具の納品と石の回収を行ったことをこの紙にサインしてください」


そう言われ騎士の方は紙にサインをして俺に返した。


「それにしてもストレージと言うスキルはすごいな。物流が革命を起こすぞ」


「それに関しては内密にお願いします。あまり他人にばれると誰から狙われるか分かりませんから」


「すまない」


「ちなみにあそこに積んであるのは何ですか?」


俺の指さす方角には岩が山になっていた。


「あれは何の鉱石かわからないからあそこに放置しているんだよ。なんなら持っていくかい?」


「構わないのであれば持っていきます」


そうして俺は何かわからない鉱石をストレージにしまいこむ。その鉱石は黒魔鉄と記されていた。見た目に反して重量は重く、特性はよく分からない。ガンツさんが喜ぶかなと思った。


俺たちの仕事は終わったので騎士の方に挨拶をして、山道を降りていく。


報酬を弾むと執事が言っていたのを思い出してにやにやしながらユーステリアの街まで帰っていくのであった。


街に着くと、今回は貴族門を使用する。ストレージに荷物を積んであるためそれがばれないようにするための処置だ。この後、領主様の屋敷に赴き石を出す場所まで案内を受ける手はずとなっている。


馬車が領主様の屋敷に到着すると部屋へと案内された。そのまま待っていると領主様がやってきて。


「じゃあ行こうか」


と軽いノリで言ってきたのであった。

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