第23話 パーティー
領主様の屋敷から戻った俺は、すぐにガンツさんの鍛冶屋へ向かった。そして、屋敷で起こったことを話すと。
「まあ。後ろ盾が得られたことは良かったじゃねーか」
「それはそうですけれどこれから監視の目が付くんですよ」
「それでも商業がやりやすくなるんだろ?そうなると銃の開発費用が増えるじゃねーか。危険物として取り上げられる可能性もあるが、いろいろと開発が進むんじゃねーか?」
「それはガンツさんのメリットじゃないですか」
「ガハハハハハ。まあお前さんも気にせずストレージが使えるようになりそうだし行商が捗るんじゃねーのか」
まあスキルを知られても構わない護衛ができたことで少し遠出もできるようになった。今回はこれで納得することにして明日も朝が早いことから今日は眠ることにした。
次の日、昨日と変わらない時間に商業ギルド前にたどり着くと、やはり馬車は既に到着していた。挨拶をして馬車に乗り込むと昨日同様セバスさんが乗っていた。
「カイト様。おはようございます。本日の予定はパーティーの衣装合わせに、今後カイト様の護衛や身の回りをお世話する人との顔合わせ。夜にはメインのパーティーへの参加をしていただきます」
屋敷に着くと早速衣裳部屋へと連れていかれ様々に服に着替えさせられた。三時間程経った頃ようやく衣装が決まると、次は執務室へ行った。そこには甲冑を着た兵士と思わしき人が三人、メイド服を着た女性が一人の計四人が領主様と共にいた。
「やあ。カイト君、昨日ぶりだね。さて今日集まってもらっているここの四人が君の行商に着いていってもらう人員だよ。左からザッツ、ゲイル、ナターシャ、ミリアナだよ」
名前を呼ばれた四人はそれぞれ一礼してくれた。
「行商人のカインです。若輩者ですがよろしくお願いします」
「挨拶は後にしてそろそろパーティーへ向かうよ。既に結構な貴族が集まっているからね」
「パーティーって夜に行うのではないのですか?」
「急だったからね。他の用事と被らないように昼行うことにしたんだ。メインは料理だしお酒は出さないから問題ないでしょ」
なんて話しているうちに会場に到着し、注目を集めていた。領主様の周りには貴族の方々が挨拶に来ている。俺は置物のようにじっとしていた。
「さて、挨拶も終わったようだし、今日急に呼び出した要件を話そうと思う。こちらにいるのが商人のカイト君だ。平民の子だけれど珍しいスキルを持っていてね。僕がサポートをすることにした。だからみんな彼にはちょっかいを出さないようにね」
一応一礼しておいたが貴族の方々の視線が痛かった。
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