第13話 報奨金

コインを貰った後は何事も起こらずユーステリアの街まで戻ってくることができた。荷車に木箱を乗せることも忘れず、門の入場列に並ぶ。そんなに待つこともなく前回同様木箱の中身を検査されただけで街の中に入ることができた。


街に入った後はまず商業ギルドへ向かう。今回も値段の高い物を選別して販売し、銀貨二枚を得た。その後、魔鉄の販売価格を聞くと。


「今の相場ですと銀貨二十枚ですね。在庫がありますので買われますか?」


「いえ。お金が足りないです」


と言って断っておいた。


その後は兵士詰め所に行き、例のコインを兵士に見せると疑わしい目で見られた。


そんな兵士に拳骨が落とされ。


「騎士様が言っていただろう。特殊な武器を使う人でとても鍛えているようには見えないから注意されたしってな。すまないな少年。これが報奨金だ。あとコインはこちらで回収させてもらう」


そんなこともあって報奨金を貰った。中身を見てみると金貨が一枚入っていた。その時俺は挙動不審になっていただろう。ダッシュで商業ギルドへ駆け込み、魔鉄を購入した。


そして鍛冶屋へと向かう。迎えてくれたのは奥さんのメリシアさん。どうやら一日遅れていたのを心配してくれていたようだ。


そんな様子を隅から眺めているガンツさん。これは後で怒られるなと思いながらもメリシアさんの抱擁を受け入れていた。


場所は工房に移り予想通りガンツさんにお叱りを受けたところで、本題に入る。


「ガンツさん。魔鉄を入手しました」


「ほう。ってなにー!」


「だから魔鉄を入手しました」


今度は魔鉄をストレージから出してアピールした。


「よう手に入れることができたのう。めったに出回らんと言うのに」


「商業ギルドに売っていましたよ」


「おかしいのう。入荷したら儂のところに情報が来るはずなのじゃが?ちなみに値段は?」


「銀貨二十枚です」


「まあそんなもんか。鉱脈でも発見されたかのう。それで、その魔鉄で拳銃を作るってことでよいのじゃな?」


「はい。よろしくお願いします。ああ。あと、これが鉄の農具の代金です」


そう言って俺は銅貨五十枚を渡した。


「確かに受け取った。それにしても全部売れたか。まあ長い間盗賊がおったらしいからの。村民もギリギリじゃなかったか?」


「そんな風には見えませんでしたけど」


「なら反対方向の街とうまく付き合っておるのじゃろ。それならよいわい。どれ拳銃を出してみろ。定期的に点検せんといつ故障するかわからんからの」


俺は拳銃を八丁全部出した。するとまた二丁取り除かれ、追加で5丁渡された。


「儂の工房がカイト専用の工房になって来とるわい。で今回は何か改善点でもあったか?」


「弾に感電の魔法陣を付与できませんか?撃った獲物が即死しなくて逃げられた場合追いかけるのが大変なんですよ」


「それには魔石のランクが足りんわい。もっと上質の魔石があれば可能じゃ」


俺は首を傾げた。

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