第10話 補充
鍛冶屋に着くと、親方のガンツさんが出迎えてくれた。
「何だ。カインじゃあねーか。もうあきらめて戻ってきたのか?」
「いや。街の宿泊施設知らないし、拳銃も弾も補充しないといけないじゃん」
ガンツさんは笑ってごまかしていた。そんな様子を見に奥さんであるメリシアさんがやってきた。
「あら。カイン君じゃない。今日は泊っていくの?」
「はい。お邪魔します」
そう言うと家へ上げてくれた。夕食もごちそうになり、工房に呼ばれたので行くと。
「さっさと拳銃を出せ」
とせっつかれた。五丁の拳銃を出すとそれぞれを検査していく。弾かれたのは二丁。どうやらライフリングが摩耗しているようで真っすぐ弾が飛ばないそうだ。
代わりに五丁の拳銃と四百九十五発の弾を受け取った。
「それで頼みがあるんだがよ」
「いいですよ。これだけお世話になってますし」
「せめて用件だけでも聞けよ。鉄の農具を取り扱っている行商人の一人が盗賊にやられちまったらしくてな。それでお前さんにそいつがひいきにしていた村まで農具を卸しに行ってもらいてぇんだよ」
「それは片道どのくらいかかるのでしょうか?」
「一日でたどり着くはずだ。まあ往復二日、一日商いって日程だな」
「分かりました。明日から向かいます」
「そんなに急いでないが大丈夫なのか?」
「周る村の順番なんて決めていませんしいいですよ。それで売値なんかを知りたいので教えてくださいね」
「助かる」
売値などの情報の聞いた後は辺りが暗くなっていたため、そのまま就寝した。
次の日は朝から街を出て目的のイテル村を目指す。道中には人の姿はなく道は木々に挟まれているため周囲の見通しが悪い。そのため急に魔物や動物が飛び出してくる。そう言った獲物を拳銃の錆びにしていき目的の中間地点辺りまでたどり着いた。
そこには木が道を塞ぐように倒れており後ろからは数人の男が迫ってきていた。
俺は問答無用で拳銃を発砲。後ろから迫ってきていた盗賊らしき男を五人射殺した。すると両サイドから男たちがわらわら出てくる。俺は囲まれないようにしながら後ろに下がる。
結局後ろに下がりながらも発砲を続け、二十人の死体がそこにはあった。それを格納しながら前にある巨木をどうしようかと悩む。試しに格納してみた結果、何の問題もなく格納できてしまった。
巨木でストレージを圧迫するのは嫌だったためそのまま道の端に放り出し、イテル村を目指して進む。その後は盗賊が現れることはなくイテル村までたどり着いた。
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