第9話 商業ギルド

翌朝、ご飯を食べてから俺は村を出る。今日の予定は街まで戻り仕入れた野菜を商業ギルドに卸すつもりだ。


そんなことを考えつつ街まで歩き、見つけた獲物は狩っておく。そうして肉を確保して他の村でも肉と野菜を交換するつもりだ。


道中、冒険者に盗賊まがいの扱いを受けたため射殺した以外は何の問題もなく街にたどり着いた。


街門では荷物検査が行われるため品物の入った木箱は台車に積んで並んだ。すぐに俺の番が訪れ、木箱を空けて中身を確かめられる。中身は野菜だけだったため問題なく通ることができた。


街に入った俺はまっすぐ商業ギルドへと向かう。荷物を見張ってくれるギルド員に台車を任せギルドに入り、野菜を卸したいため検品を頼んだ。職員はすぐに対応してくれた。


「この野菜は足が速くてなかなか市場に卸せないのですが・・・。新鮮ですね・・・。これならば銅貨五枚でどうでしょうか?」


「他にも野菜があるので一応全部検品してもらってから一覧を見せていただいてもいいですか?」


「分かりました」


それぞれの木箱の中身を検品してもらい値段が高い物だけを買い取ってもらった。残りストレージにしまっておいて時季外れに売るつもりだ。


「本当に買い取りはこれだけでよろしかったのでしょうか?時季が外れると高くはなりますがそれまで品質が保存できるとは思えないのですが・・・」


親切な人なようでそんな忠告をして心配してくれている。


「それはスキルで何とかなると思いますので大丈夫です」


そう言うと納得してもらえたようで銀貨二枚受け取り商業ギルドを後にした。


次に向かったのは憲兵の詰め所だ。目的はアリステル村に行く最中に現れた盗賊、そしてその帰りに会った冒険者のことを知らせるためだ。


死体は格納してあるので検分してもらうことができる。いらぬ疑いをかけられそうではあるが最悪、街に入れなくなるので致し方ない。


冒険者の死体もあったためか検分は冒険者ギルドの職員も参列して行われた。盗賊には報奨金などはかけられていなかったが村から逃げ出したとの報告があった人物で殺したことに対するお咎めはなし。


冒険者も素行が悪く近く資格を剥奪したうえで街から追い出される手前まで来ていたグループだったためこちらもお咎めはなしだった。


死体は引き取ってもらい冒険者の装備は受け取った。そのまま武器屋、防具屋と周って装備を売り払ったが二束三文にしかならなかった。


そんなことをしていると日が暮れそうになったのでまた例の鍛冶屋で一晩を過ごさせてもらう。

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