第5話 魔法武器

何とか説得して鍛冶屋のおっちゃんことガンツさんの自宅へ泊めてもらえることになった。その代わりに労働で対価を支払えと言われたがそれは仕方がないことだろう。


「で。坊主は俺に何を作って欲しいんだ?」


俺はファテナさんから買い取った拳銃を見せる。


「この武器の弾を魔法陣で改良した物を作りたくてですね」


そう言った瞬間、ガンツさんの顔がゆがんだ。


「カイトよ。お前さんは魔法武器っていうのを知っているか?」


「初めて聞きました」


「それはな。武器に魔法陣を仕込んで武器の性能を引き上げようっていう試みだったんだがな。魔法陣を仕込む分、武器の耐久力が減少して使い物にならなくなったという出来事だ」


「ん?拳銃の弾は脆くなっても問題ないのではありませんか?」


「?それもそうだな」


「と言うわけで、作るのに協力していただけませんか?」


「その前にお前さんの構想をきかせろ」


「まず弾に火薬は使用しません。これが原因で採算が取れないと聞いていたので。その代わりに爆発の魔法陣を組み込んでその爆発で弾を前に飛ばします。ここまでいいですか?」


「ああ。爆発の加減をするのは難しそうだが火薬でできていたんだできないことはないだろう。で、続きを話せ」


「はい。弾の先頭部分にも魔法陣を刻んで属性魔法が付与されるようにします。例えば衝撃を与えると電流が流れる魔法陣なんかを組み込んで相手を感電させるといった具合に」


「分かった。こいつは面白そうだ。だがそれには拳銃の方も改良する必要があるだろう。とりあえずカイトの拳銃を模倣するからそいつを貸せ」


「これ転移者の品物だと聞いていたのですが、模倣なんてできるのですか?」


「問題ない。過去に銃弾も作ったことがある。使う技術力も高くてとても量産できる品物じゃなかったがお前さんの言う銃弾。魔法弾とでも呼ぼうか。それであれば量産もできるだろう」


「それじゃあお願いします」


そう言って俺はガンツさんに拳銃を渡した。


「で。お前さんの仕事だが、鍛冶屋の裏手に積んである石炭や鉄鉱石の運搬だ。お前さんの筋力なら運ぶことはできないだろうがスキルを使えばできるだろう」


「それって他の人に僕のスキルばれたりしません?」


「鍛冶屋の裏手を視る奴なんか犯罪をしますよってやつしかいねぇよ。問題ないからさっさと片付けてくれや」


まあばれないのであればいいかと思い、俺は鍛冶屋の裏手に周り鉄鉱石や石炭、粘土などを格納して鍛冶屋の中にきれいにならべるのであった。

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