第13話 ステータス画面だと?
女性が俺の前で『スキル。特別情報開示』などということを言うと、俺の目の前に突然画面。まるでゲームの世界みたいな感じで、これは――プロジェクターではないが。なんだ?とにかく画面出た。いきなりの最先端?って、とにかく本当にゲーム画面みたいなステータスが出たのだった。俺主人公とかじゃないからな?能力表示とか必要ないというか。いや、マジでゲームかよ。ってか――なんかいろいろ画面には数字とか言葉が出ているが。これが俺のステータスとか言うのか?
体力 53。攻撃29。防御200……。
俺が突然の事に驚いていると女性がまだ話し出した。
「なんだ、普通にコモノと出てるじゃないか。ちゃんと名前くらい言え。あと書け」
「コモノ……?」
俺は映し出されている画面を再度見る。そして画面を隅々まで見ると――確かに攻撃やらやらの上にコモノという表示があったが。どうやらそこが名前を表示するところらしいが。はっきり言っておこう。なんだそれ?である。俺の名前じゃない。俺の名前は――、——だ。
「お前はコモノなんだろ?名前はいじれないぞ?」
「いや、俺の名前は――、——だよ。ってなんで名前だけ声に出ないんだよ」
やはり言えなかった。ってか、いじれないって――まあ名前はそう簡単に変えれないからな。確かゲームでも初めに決めた名前を変えるのは無理だった気がする。
俺がそんなことを思っていると、女性が俺の様子を見てまた考えだして――。
「……本当に不具合?いや、名前が言えない。でも表示にはちゃんと出ている。この現象は聞いたことがないな。名前となるといじれないしな。どうなっている――うん!?なんだこれ!?」
「えっ?」
突然目が飛び出るのではないだろうか?というほど驚いた表情にいろいろ目立っている女性がなった。そして今表示されてる俺のステータスをガン見しているというか。目を擦りながら何度も確認していた。
「おいおいおい。なんだこれ?これもエラーか?どうなってる。スキル――?いや、こんなスキルはないはずだ。150000?もしかして私の方に不具合の可能性か?いやいや、それは考えにくい。ってことは……」
いろいろ目立つ女性が何やら数字をつぶやき、考え出して、少しした時。ガシッと俺の両肩を掴んできた。思っていたより力が強い。これは逃げれない力だ。これ以上があると俺の両肩の骨が粉砕しそうだ。まるでレベルの差とでもいうのだろうか。しっかり掴まれた俺全く動けなかった。これを微動だにせず。というのだろう。
「——えっと、はい?」
「おい、コモノ。今すぐギルドに行くぞ」
「ギ、ギルド?」
「確認が必要だ。早く付いて来い。大きなエラーだと大変だ。主に私が」
「——う、うんん!?」
ギルドってあのギルドか?ほんとゲームかよ。などと俺が思っているといろいろ目立つ女性が歩き出したため、俺はまた慌てて付いていくことになった。
ちなみいろいろ目立つ女性が動き出すと、見えていた画面が消えた。そういえば、今いろいろ目立つ女性がつぶやいていた150000とは何だろうか?
そんなことを思いつつ。俺は歩きながら小声で先ほどいろいろ目立つ女性が言っていた。『スキル。特別情報開示』という言葉を言ってみたのだが――俺が言うだけでは何も画面のような物ステータスは出なかった。ちょっと虚しかったな。
それから俺はしばらく女性の後を付いていき、町の中でもそこそこ大きな建物へとやってきた。立派な建物だ。3階建てくらいかな?三角屋根というか。大きな屋根が特徴で、窓の数的には――3階くらい。いやでももしかしたら中の構造は違ってもっとあるかもしれない。って、建物の事より。なんかこの周りは強そうな人が結構居る。俺なんかのひ弱いボロ布が居る場所なのだろうか?場違いすぎる気がするが。いろいろ目立つ女性が歩くので俺は付いていく。
「ここがシーマ地方のギルドだ」
建物のドアを開けながらいろいろ目立つ女性が俺に言う。
「シーマ地方?」
「詳しい説明はあとだ。とりあえず町の名前だ。とにかくお前はまず冒険者登録をしろ。すぐにエラーか確認がしたい。登録後に表示された情報と先ほどが同じだった場合それはエラーではないからな」
「——はい?登録?」
俺の頭の中は情報整理が落ち着いていない。次から次へと何を言っているんだ?という感じだった。
「——って、ちょっと待て。登録って、俺が冒険者になるってことか?——冒険者!?」
「いいからしろ。ここでは冒険者には誰でもなれる。資格は必要ない。受付に居る男の職員にアマミから言われた言えば即通じる。登録用紙を出してくれるだろう。それに私が居る事もわかっているからすぐに問題なく登録は出来るだろう。そもそもすべてを私が仕切っているからな」
「——はい?」
ホントに次から次へと、俺は初めてここにやって来たボロ布を着たマジで何も持たざる者なんですがね。マジで俺――弱っちいというか。周りはみんなそこそこちゃんとした装備または服を着ているから――俺めっちゃ目立っているんだが……。
でもまあ今の会話でアマミという女性。俺と一緒にここまで来たいろいろ目立つ女性の名前と、どうやらこの女性かなりの権力者ということはわかったが。って、ダメだ。いろいろわからん。わからなさすぎるが――現状は従うしかないだろう。俺はそのまま建物の中を進む。
ちなみにギルドと言われている建物内は、やっぱり室内は予想通りゲームの感じだ。掲示板や受付、机、椅子と、初めてくるのに、なんか知っている感じがする場所だった。ちょっと不思議だな。あと商人もこの中に居るみたいだ。お店らしきものまで建物内にあった。
そうそうアマミに言われた受付とは正面にあり少し人が並んでる。これは並べなんだろうな。と、俺は後ろからの視線を感じつつ。とりあえず列に向かった。『並ぶんですか?』とか聞いたらこの場で串刺しにされそうな感じがしたからな。『常識もわからないのか!』みたいなこと言われそうだからな。
俺は大人しく受付の列に並んだのだった。
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