第10話 いきなり殺されかけた。

「——はい?」


 何となく。俺が呼ばれている?と察した俺が振り返ると――。


「やっと止まったか。ボロ布が」


 立派な装備が輝いていた。全身鎧。といった感じではないが。でも必要なところにしっかりした装備をし。腰にはこれまた立派な何でも切りそうな剣を刺した……どうだろう10代20代ではなく。そこそこいろいろ経験してきたといった感じの――30くらい?の長い明るめの紫?色の髪をなびかせた女性が立っていた。

 あと、個人的には、たいしてそういうことに今まで興味のなかった俺だが、身体の一部がめっちゃデカかったのでさすがに見てしまった。いやいやおかしいだろ?ってくらいデカかった。まるで自分の思うがまま設定したのか?そのデカさで垂れてないというか。良い形というのだろうか?とにかく。そんなこんもりキープできるの?爆弾かよ。あと全身を見ると、一部が爆弾なのに。そのほかはスタイルがいいというか。あれ?30代じゃない?俺失礼な事を――って、この人自分で身体調整やっぱりしてね?などと俺は思いつつ。目の前にはいろいろと目立つ女性が立っている。

 あっ、そうそうこのいろいろと目立つ女性。耳が長いな。つまり、エルフかな?でも見た目は人――あっ、そういえばゲームでハーフエルフみたいなキャラも居たような――ってことかな?いや、待て待てエルフって、俺の勝手な想像だがこんな爆弾抱えているのだっけか?

……わからん。こういう時はあれだな。触れるな。だな。って、そんなことより。早く返事をした方がいいかな?


「……俺に何か?」

「何か?じゃなくて、誰だお前?」


 すると目にもとまらぬ速さで俺の顔に剣が向けられた。ちょっとだけ風を感じたと思ったら――目の前でキラン。だった。おいおい、死後にまた死ぬのか?ってか、この剣マジでめっちゃ切れそうだな。刃が何でも切れますよ的な感じで輝いている。むしろ触れなくても切れそう。これはヤバい。マジでやばい。ボロ布が切り刻まれたら俺――いろいろ終わりそう。今は俺達を見ている人も居るだろうし。そんな人前でマッパとか嫌だぞ?

 あと、ホントこれは直感だが。チート武器みたいに俺は感じた。本当に俺の顔無事?実はスパッときれてない?大丈夫か?血がドバドバ流れているってことないか?まあそんなことになっていたらこのように考えれないか。だから考えられているということはまだ大丈夫のはずだ。


「——ここは物騒だな。っか、いきなり何するんだよ。俺は武器も何も持ってないぞ?」


 なるべく冷静に俺は答えつつ。一応両手を上げる。実際俺が対抗できそうなものは、本当に何も持ってないからな。ボロ布を着ているだけだ。それに俺は喧嘩とか――無理だな。したことなし。多分即現状仕掛けても即切られて終わる自信がある。


 俺がそんなことを思いつつ相手の出方を待っていると。俺に剣を向けたまま女性が話しだした。

 どうやらそう簡単に警戒を解く気はないらしい。って、俺でもそうだな。いきなり知らない顔の奴が居て――怪しいなら警戒するか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る