第4話 心臓のドキドキ
トンテキとか久々に作った。
私は思いながら醤油ベースのトンテキを作ってからお兄ちゃんに渡す。
するとお兄ちゃんは、うわ。マジにこんなに色とりどりに作れるなんてな、と言ってくれた。
それからがっつく様に食べ始める。
その姿に感動しながらも表に出さない様に眉を顰める感じで見た。
「スゲェ美味いな。お前なんでこんなに料理上手なんだ」
「.....別に。何だって良いでしょ」
「いや.....誇れるぞこれは。凄い」
いつか来る花嫁修行と思って私は料理した。
その為にこれだけ上手だが。
まさかお兄ちゃんに披露するとは思わなかった。
恥ずかしいとしか言い様が無い。
変な所は無いだろうか。
焼けてない部分はないだろうか、とか。
思いながら私はチラチラとお兄ちゃんを見る。
「にしてもビールに合う。凄いな。これは美味しい」
「まあ飲み過ぎない様に」
「そうだな。お前が言うならそうする。.....今日は有難うな」
「そうね。.....じゃあ帰るから」
そう言いながら立ち上がる私。
もうちょっと一緒に居たいとは思うが。
これ以上居ても仕方が無い。
考えながら私はドアを開けてから表に出る。
「この恩は必ず返す」
「.....要らないし。.....別に」
「まあそう言うな」
「.....」
そして私はドアを閉める。
それから心臓を抑える様にしながら横の自室に戻る。
マズイ。
本当に嬉しいとしか言い様が無い。
これ以上の喜びは無いだろう。
〜〜〜〜〜
トンテキとか懐かしいものを食った。
俺の両親が.....よく作っていたよな。
思い出しながらしんみりとなる俺。
今更だよな。
あの家にはもう帰れない。
クソババアとクソジジイが乗っ取ってしまったから。
「.....腹立たしい限りだが。俺は前を見るしか無いよな」
俺は考えながらトンテキ、味噌汁、ご飯、漬物を見る。
こんなに作らなくても良かったんだが。
思いながら苦笑する。
そして天井を見てから息を吐いた。
懐かしい感じがする。
「.....何でだろうな。あの女子高生を見ると.....全てが変わる気がする」
そんな事を思いながら。
俺は飯を食べ始める。
すると.....会社の同僚からメッセージが入った。
それは田中美奈子(たなかみなこ)だ。
俺と同期の美人の女性だ。
(ねえねえ。今度貴方のお家で一緒に晩酌しない?)
(いきなり何を言ってんだ。お前という奴は)
(だってさ〜。貴方の家って居心地良いし。狭くて)
(失礼な事ばっかり言うねお前)
ったくコイツは。
考えながら俺は頭をガリガリ掻く。
それからトンテキを食べてから味噌汁を飲む。
すると田中が、まあとにかく。晩酌の予定を立てたから次は仕事だね、と言う。
ニコニコしながら。
この野郎。
(嫌な事をしっかり思い出させるねお前って)
(書類が貯まっております)
(馬鹿野郎。早くこなせや)
(だって早くこなすったってやる気起きないし)
(お前という奴は.....)
俺は顔を引き攣らせながら全て平らげてから。
そのままダカダカと打ってからメッセージを送信する。
お前な。上司に怒られるの俺もなんだぞ。チームなんだから、と言う感じで、だ。
そして田中からは、まあそうだよねぇ、とメッセージが来る。
(でももし貴方が側に居たらやる気起きるかも)
(それは本心か?からかいか?どっちかな?)
(アハハ。どっちなんでしょう?)
(酔ってるだろお前)
(そうだねぇ。ほろ酔い程度には)
(嘘吐けお前.....)
泥酔している可能性がある。
俺はその様に考えながら、良い加減な感じで止めとけよ。酒は。近所の奴に言われたし、と送信した。
するとピクッと反応した様に、それは誰?、とメッセージが。
(初耳だねぇ。と言うか近所にそんなお節介な人がいるんだねぇ.....?)
(そうだな.....まあうん)
何だコイツ.....まるで黒のオーラでも出ている様な。
俺は!?と考えながらそのままメッセージを飛ばすのを待機すると。
まあでも確かにね、とメッセージが来た。
それから、程々だね、とも。
(でも何だかその言った人が気になるんだけど.....)
(いや。大丈夫だって。ただの近所付き合い.....ってか何でこんな嫁に言い訳する様な事を言ってんだ俺は)
(え?ふぁ?よ、嫁って.....)
(何だよ)
マジに何コイツ?
メッセージが止まったり怒ったりの様な。
感情が不安定すぎるだろ。
そう感じながら俺は画面を見つめた。
すると数秒してからメッセージが。
(と、とにかく。今度飲みに行くから)
(分かったよ.....)
さっぱり分からんコイツは。
いつも以上に酷い気がするが.....?
俺はそう思いながらビールを飲みながら見ていると。
玄関がノックされた。
何だ今度は。
(なろう掲載中)5年ぶりぐらいに会った女の子が口が悪くなっていました。だけど.....? アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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