第2話 挨拶
俺自身は大学を1回失敗した。
だけどその大学を失敗しても何とか卒業出来たのだが。
それから今に至っている。
恋人も居らずの高校生活と大学生活を送って来てから今になった。
まあ寂しいものかもしれないけど。
でもそれだけ集中して自分自身の世界を形成出来た気がする。
「くぁ!今日のビールは美味いな!」
俺はそんな事を堪らなく言いながら。
赤い顔のままつまみをつまみつつ。
そのままビールを飲む。
それから目の前の鏡を見る。
老けたよなぁ俺も、と思いながらだが。
「.....」
ビールの缶とつまみの入った皿を見ながら頬を掻いた。
そうしているとインターフォンが鳴る。
俺は?を浮かべてから壁の時計を見つめる。
19時だが。
どうなっているのだろうか。
「はーい」
俺はそう言いながらドアを開ける.....と。
そのまま固まった。
何故か分からないが例の女子高生が立っている。
青ざめながらその女子高生を見た。
な、何だろうか。
「隣同士だから。だから挨拶代わり」
「あ、ああ。お菓子.....挨拶か。.....有難うな」
「別に。気にする事は無いけど。でも挨拶だってのは知っておいて」
「そ、そうか。分かった。じゃあ有難く受け取るよ。有難う」
「.....」
「.....な、何かな」
眉を顰めながら威圧する様に俺を見てくる女子高生。
何だろう.....こういう美少女に見つめられると普通は嬉しいものがあるんだけどこれは結構キツイな。
かなり痛いものがある。
冷や汗が噴き出てくるなオイ。
「何でもない。また明日」
「.....あ、ああ。じゃあな。お菓子有難う」
「.....別に」
そしてパーカー姿の女子高生は去って行った。
隣の部屋のドアが閉まる。
俺はその姿を見送ってから開けると。
餅を固めた様な煎餅のお菓子が入っていた。
わざわざお金使わなくて良いのにな、と思ってしまったが.....。
〜〜〜〜〜
「.....」
真っ赤になってしまう。
お兄ちゃんはやっぱり変わらず格好良い。
そう思う。
だけどお酒ばかり飲んでいる様に見える。
それは良くない。
良かったら.....私が作りに行きたいけど。
でもそれは下世話だろう。
だからいつかまたチャレンジしてみたい。
料理を持っていくのを。
「.....手が触れた.....ヤバい.....赤くなってしまう」
私はそう呟きながらそのまま手のひらを見る。
手の甲を確認する。
赤くなっている。
それから鏡を見るがそこには恋する乙女が立っている。
マズイなこれ、と思う。
「.....」
私がこの場所に引っ越して来たのは偶然だった。
だけどお兄ちゃんを追って来たというのは間違いないかも知れない。
ストーカーまがいの事をしていると自分でも反省している。
でも、だけど。
どうしてもお兄ちゃん側にもう一度。
近くに行きたかったから。
「.....今度は髪留めを変えてみようかな。何時の列車に乗るんだろうか.....早めが良いか。遅刻みたいだったしな」
そんな感じで考えながら私は鼻歌を歌いながら。
そのままヘアピンを取ってから風呂に入る。
私はかれこれ5年。
彼氏は居ない。
それは全てお兄ちゃんの為にと思っているから。
「.....お兄ちゃん。頑張るから」
その様な感じで私は服を脱いでから。
そのままシャワーを浴びた。
お菓子.....気に入ってくれるだろうか。
あれはお気に入りのお菓子だから。
〜〜〜〜〜
正直に言おう。
これはかなり美味いお菓子だと思う。
つまみにぴったりだ。
甘さ控えめの辛い感じのお菓子。
俺は衝撃を受けていた。
「こんなものがこの世にあるなんてな。カラムー○ョに似てんな」
そんな事を呟きながら。
俺は缶を潰してからそのままつまみを平らげて。
そのまま寝転んでテレビを観る。
面白い番組などは無い。
相変わらずのテレビ番組ばかりだ。
「.....下らないな。やはり。このまま寝てしまうか」
そして俺はタイマーを掛けて翌日に備える。
それから部屋をくら.....あ。
しまった。
風呂に入ってない。
それはマズイだろ、と思いながら俺は風呂に入ってから寝た。
☆
翌日になってから俺は靴を履いて上着を羽織った感じの服装になる。
それからドアを開けると.....そこにあの女子高生が立っていた。
待っていたかの様な感じで。
え?、と思いながら俺は青ざめた。
「おはよ」
「.....あ、お、おはようございます?」
「何?その冷めたツラ?私に会うのがそんなに嫌なの」
「.....いや。それはまあ.....」
「.....あっそ」
そして女子高生は行ってしまう。
どうやら買い物らしい。
俺も買い出しだが.....同じスーパーか?
考えながら俺はそのまま背後を.....って言うか。
ペースを下げて鉄階段を降りて歩いた。
つけ回していると誤解されてはたまったものでは無いので、だ。
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