(なろう掲載中)5年ぶりぐらいに会った女の子が口が悪くなっていました。だけど.....?
アキノリ@pokkey11.1
口悪いなオイ
あ?
第1話 懐かしい香り
『約束だよ。大好きなお兄ちゃん。将来.....私と結婚してね』
誕生日を迎えた23歳になった翌日の事。
久々にそんな言葉を言われたのを思い出した。
俺はハッとしながら起き上がる。
それからアパートの窓から外を見る。
今のは幼い少女だった佐藤ミチル(さとうみちる)の言葉だった。
「懐かしいもんだな。5年も会ってないのか俺は。あの子供も年取ってかなり成長したろうな.....」
俺は考えながらそのまま立ち上がる。
それから11月の半ばになっている布団を整理しながら。
そのまま、寒いな、と呟きながら洗面所に立つ。
無精髭の目立つ様な凡人。
俺の名前は、飯田智治(いいだともはる)。
社会人1年目の凡人だ。
顔立ち?そうだな。
イケメンでも無いし不細工でも無い中間と言えるかもな。
「髭剃ってから.....準備して」
そんな感じで準備を開始してからそのまま朝食を食べてから家を出て.....ん?
俺は横の空き部屋になっている所に人が引っ越して来ているのを見た。
昨日の夕方でも引っ越して来たのか?
考えながら腕時計を見てそのまま焦る。
あれこれ考えている暇は無い。
「やれやれ。遅刻寸前とは」
そんな事を呟きながらネクタイを締めつつダッシュで列車に飛び乗る。
それからドアが閉まる音がしてホッとしてから前を見る。
すると誰かが俺の間をすり抜ける。
満員電車だってのに動くんじゃねぇよ、と思いながら目の前を見ると。
そこにかなりの美少女が居た。
見た感じだが茶髪のボブに髪留め2本。
身長はそうでも無いが八頭身に近い。
かなり細い体をしており。
それから顔立ちが.....めっちゃ可愛い。
何だコイツ、と思いながら見ていると思いっきり睨まれた。
「.....何すか」
「あ。いやすまん」
そんな言葉を投げられた。
ヤバい痴漢と誤解されてしまう。
思いながら俺はそのまま目を逸らす。
しかしミチルとは大違いだな。
今朝の夢の女の子と、だ。
「やれやれ」
俺はそんな事を呟きながらスマホを弄っていると。
少女がジッと俺を見ているのに気が付いた。
その茶髪の少女が、だ。
何だ一体、と思いながら、何か?、と尋ねると。
「何でも無いっすけど?」
「こっちばかり見られると困るんだけど。目線が気になる」
「は?発情でもしてんすか?」
「.....」
これは面倒臭い様な気がする。
俺は顔を引き攣らせながらそのままその場から去ろうとすると。
いきなり電車が揺れ。
そしてその少女に壁ドンをしてしまった。
俺は愕然としながら少女を見る。
ヤバい殴られる。
「.....?」
しかし拳が飛んでくる事は無かった。
寧ろ少女は赤くなって唸っている。
何だこの反応は.....。
思いながら俺は、すまん、と言いながら立ち上がる。
すると、良いよ別に、と少女は言った。
「気にしてないし」
「そうですか.....」
そんな会話をしながら。
満員電車はそのまま俺の会社の最寄り駅に着いた。
俺はそのまま、すまない、と言いながら女子高生の横をすり抜けてから駅に降りる。
すると視線を感じた。
背後を見ると女子高生が俺を見ている.....ドアが閉まる。
何だあれ?
「おっと。考えている暇無いな。急がないと」
俺はそんな事を考えながらそのままダッシュで駅から後にしてから。
そのまま会社に行ってから仕事を始めた。
危ない所だ。
朝礼に間に合わないかと思ったわ。
☆
何だかよく分からん女子高生を見た朝の夜。
俺は酒缶1本とつまみを買ってから。
そのまま鼻歌を歌いながら帰って来た。
今日は我慢していた分だけ飲みたいもんだ。
社会人1年目では金がなかなか無いもんでな。
「少しだけ高級なビールを買っちまったな。楽しみな晩酌だ」
そんな感じで呟きながらアパートに帰って来る。
それから玄関ドアを開ける為に鍵を出した。
そして横を見ると。
横の空き部屋だった部屋の電気が点いている。
よく見ると表札があるな。
今度これは挨拶しないといけないか。
気が付かなかった.....ん?
「.....佐藤?」
まさかな。
俺は苦笑いを浮かべながらそのまま玄関のドアを開ける。
するとガチャっと音がした。
それから横の部屋のドアが開く。
そして出て来たのは.....。
「.....?!」
「.....」
そこに居たのは朝のあの口が悪い女子高生だった。
俺は、な!!!!?、と言いながら青ざめて指差す。
すると女子高生はゴミ捨てをしていく様だった。
俺をジト目で見てくる。
邪魔なんだけど、と言いながら。
「す、すまん」
「.....」
そして女子高生はゴミ捨て場に向かう。
俺はその事に?を浮かべる。
何でアイツ動揺してないんだ?
俺がこんだけ動揺しているのに。
有り得なくないか?
元から知っている様な素ぶりだし。
〜〜〜〜〜
「.....」
お兄ちゃん。
私のお兄ちゃんだった。
何でいつもこんな冷たい態度しか取れないのか。
朝だって.....動揺してしまったから。
「.....クソ.....顔が赤くなってしまう」
ゴミ捨て場で座り込んで私は動けなくなっていた。
駄目だなやっぱり。
愛しい人を見るとこんな感じになる。
玄関が閉まる音がしたからもう大丈夫だろうけど。
最悪だマジに。
「.....私の馬鹿。クソッタレ」
そんな事を呟きながら。
私はゆっくりと立ち上がりそのまま部屋に帰った。
それから真っ赤になっている顔を何とか打ち消す.....が。
駄目だニヤニヤが止まらないんだが。
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