第35話 クローンの戦士
堕天使が作り出した工場に侵入したヒサ、幕昰、六問、西前は完全に破壊するため奥へ奥へ進んでいく。
堕天使がまだ潜んでかもしれないので幕昰は光炎から授かった
「ヒサくん、君が暴走してしまうのは、リベンジアイと言うザーガの腕輪がピンチ時に発動するのが原因なんだ。だから圧倒的な力で敵を倒すこと、そしてそれに飲まれない精神力。これがあれば君は俺を超えられる」
「リベンジアイを超える力………分かりました。俺、みんなを守るために成ってみせます」
師弟関係ができている2人の姿に相棒も思わず暖かい視線を送る。
すると何やら緑のカプセルの中に堕天使の姿がそこにはあった。
ティラノサウルス・ダークエンジェルからワーウルフ・ダークエンジェルまで、しかも超級堕天使であるウェポニック・ダークエンジェルも存在した。
「なんじゃこりゃ? 今まで戦ってきた奴らがたくさん保管されてるぞ?」
「おそらくこれは堕天使が作ったクローンだ。まさかここまでの技術があいつらにあるとはな」
幕昰の疑問に西前が答えると、六問は思い当たることがあった。
「クローン………ヒサくんを作り出した科学者がもしかしたら関わってるかもしれない」
「まさか。人間嫌いな堕天使が協力させるわけがないだろう」
「いや、ここまで
西前の否定に対して彼は理由を
出てきたブラックナイト・ダークエンジェルは息を荒くしながら次元の裂け目を開き、剣と盾を装備する。
「あの堕天使は、如鬼さんが言ってました。
「六問! ヒサ! それなら洗脳を吸収して元の鈴静くんに戻してやれ!」
幕昰の指示に2人はザーガの腕輪に手をかざし、光に包まれる。
呼吸を整えた黒騎士が向かって来ると、変身を完了したオリジンザーガは頭を掴み洗脳を吸収していく。
危機感を覚えたブラックナイト・ダークエンジェルは剣を振りかざそうとするが、ザーガがそうはさせじと取り押さえる。
「もう少しだ! もう少しで洗脳が解ける!」
「鈴静さん! 頑張ってください! あなたは今こそ共に戦うべきなんです!」
本者でも、クローンでも関係ない。
それはヒサが1番理解している。
だからこそ鈴静には戻ってきてほしい。
すると暴れていたブラックナイト・ダークエンジェルの動きが止まり、膝をつく。
洗脳を完全に吸い出した六問は頭から手を離した。
「鈴静さん! 鈴静さん!」
ヒサの呼び声に目を覚ました黒騎士。
「………六問さんが、2人?」
その発言にホッとしたザーガの2人、幕昰は事情を説明する。
「なるほど。でもヒサさんのおかげで僕はここにいる。自分がクローンであることはまだ信じられませんが、みなさんと戦えることを光栄に思います」
「鈴静くん、君の力は人を助けるためにあるんだ。こんなに頼もしいことはないぜ」
これで仲間が1人増えた。
しかしなぜ堕天使のクローンここで製造されているのか。
真相を知るため5人は工場の奥へ奥へ進んでいく。
そこには皆背筋の凍る光景があった。
なんと緑の液体にカプセルの中に男性の老人が入っており、機械が次々と古代の戦士・ザーガのクローンを作り出していたのだ。
「こっ、これは!?」
驚きを隠せない幕昰に、老人は鼻で笑う。
「ここまで踏み込んで来たか愚かな戦士達よ。ようこそわしのラボへ。フフフ、存分に遊んでくれ」
「やはりあなただったか! 堕天使に魂を売ってまで何をやってるです!」
六問の激怒の発言にヒサは思い出した。
彼こそ自分を作り出した
兵器として自分を売った悪魔の科学者だと。
「わしは自分の技術を認めてくれた堕天使に手を差し出した。クローン技術は必ず必要となる。それを否定した人類に復讐するのだ」
「あなたがこの20年間でどこまで追い詰められていたか。俺は知りません。ですがクローン技術を堕天使に利用されてまで堕ちたこと、それは絶対に許されない!」
戦闘体勢になったオリジンザーガは更なる変身〈ザ・ヒーロー〉に姿を変貌させ、深い一呼吸を行う。
西前も両腕の〈ゴッドアークリング〉をクロスする。
「変身!!」
闇と光に飲み込まれ、神の竜と堕天の竜が混じりあった〈ゴッドアークドラゴン・カオスウィング〉に変身を完了した。
「行けクローンザーガ達よ! その力で愚かな者を
科学者の命令にクローンの戦士達は一斉に戦闘体勢に入り、5人に襲いかかる。
(六問さんを超える変身。ここでやり遂げてみせる)
ヒサの更なる変身。
それはピンチから成るリベンジアイではない。
それを超えた姿に成る可能性を彼は持っている。
圧倒的力を手にするには、その答えをこの戦いが証明してくれる気がした。
「みんなが平和で、笑顔で暮らすために、俺達は負けない!」
「良く言った! よっしゃ行くぜ!」
ヒサの気合いある叫びに、幕昰はリボルバーを構え、援護射撃を行う。
だが弾丸をクローンザーガは手のひらで吸収、無傷のまま拳を鈴静に唸らせる。
「そうか。あいつらは六問のクローン。ザーガの能力を使えるのは当然なんだ」
「つまり無闇に攻撃したら取り込まれて死、と言うわけですね」
黒騎士は盾で強烈なパンチを防ぎ弾き返すと、高く飛び上がる。
「だが吸収できるのは両手だけだ。後ろから攻撃をくらわせれば問題ない」
幕昰が1番長く共に戦っている。
それゆえに弱点も1番理解しているのだ。
相手の弱みを知った以上、勝てない理由はない。
だが彼らは知らない。
クローンの戦士達が復讐の目を持ち、堕天による強さが圧倒的な物だと。
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