第5話 漫画みたいにしたかったなどと供述しており


 そうして今、アタシたちは、向かいのビルとビルを結ぶ連絡通路のを歩いていた。

 つまり、屋根の上を。

 しかし、この連絡通路があることを加味すると、このビルは逆さU字というより、月の字と言った方が近いのかも知れない。

「どうよ、この脱出劇!」

「タイミングが合わなかったら、僕ら三人ともお陀仏だったよ」

「まったくだ……」

 奇跡の脱出劇の詳細は、こうだ。

 まず敵がアタシに集中している隙に、二人には窓際へ向かってもらう。

 そして敵を倒しつつ、窓硝子を破壊して準備オーケー。

 アタシもいい感じのところへ敵を集中させて。

 そこへ手榴弾を落として(あの落とし方は、好きな漫画をリスペクトして、何回も練習したものだ)、爆発する前に飛び退って離脱。

 そして爆発と同時に窓の外にダイブ。

 連絡通路へ着地して、今に至ると。

「いや~。二人の戦闘力は、地上での戦闘でわかってたしね」

「博打だよ」

 二人は、呆れたため息を吐いていた。

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