第6話 メイドさんに話を聞く
「おはよう、ジュリちゃん。」
「おはよう、ミカどの。」
「今日はどうしようかな。ジュリちゃん何か予定あるの?」
「予定は、強いてあげれば、勇者候補や勇者召喚場所を探し出すことじゃな。」
「それって本気で言ってるの?」
「ああ本気だとも。」
「それなら、そっちの方面に詳しい娘を知ってるから、会いに行ってみる?」
「それは願ってもない。よろしく頼む。」
ミカどのと一緒に電車というものに乗って秋葉原に着くと、メイドが溢れていた。
ここは貴族の屋敷街でもあるところなのか?
ミカ殿どのが言うには、喫茶店の従業員がメイドのかっこうをしているだけとのこと。
私の問いかけに嫌な顔せずに何でも答えてくれる。おかげでこの異世界のことを少しずつ知ることができた。
すると目の前にメイドの姿をしたミカどのの友人が現れた。
ミカどのも可愛らしいが、友人も可愛らしいぞ。類は友を呼ぶとはこのことだな。
「りなっち、バイト前に悪いね、どうしてもジュリちゃんが勇者のことを聞きたいって言うからお願いできるかな。」
「もちろんでありますよ。この私に勇者のことを語らせたら一晩あっても語りつくせませんからね。」
りなっち殿のバイト先であるメイド喫茶に立ち寄り、萌えの何たるかや、異世界転生や勇者召喚のことをりなっち殿に説明された。
何となく聞いたことがあるような話が多かったと思ったら、数年前に魔族領で捕らえた勇者から聞いた内容とほぼ一緒だったのだ。
やはり神の一存にすべて委ねられているということで間違いない。
異世界で発動した魔方陣が、どいうわけかこちら側の世界に発現し、人間を召喚する。
しかもその召喚時に神が人間にチートを授ける場合が多いようだ。
私が邪神様と連絡が取れないくらいだから、人間ごときが神と連絡取れるはずもない。
やはり異世界召喚をくい止めるにはこの国を滅ぼすしかないか。
だがそのためには魔素が足りない。
八方塞がりだな
せっかく異世界に来れたのに、手詰まりになってしまった。
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