第5話 美香の家

3時間のアルバイトを終え、日当を手渡しでもらい、美香の家に向かう。


「お腹すいたね」


「わらわは、最近では食することも無くなってきたので、気にすることはないぞ。」


「ダメだよ、ちゃんと食べなきゃ。無理なダイエットは良くないよ。」


美香の家の近くにある定食屋に連れていかれると、

「まずはビールで乾杯だね。」

とアルコールを飲まされ、

餃子やもつ煮などをつまみにして最後はラーメンでしめられた。


「ジュリちゃんも結構アルコール強いね。」


お互い千鳥足で部屋に帰ると、そのまま布団にひっくり返る。


「ジュリちゃんのおかげで今日はいろいろ助かりました。本当にありがとうね。」


「いやこちらも一宿一飯の義理を果たしたまで、気にすることはないぞ。」


「も~、いつになったらそのキャラやめるの~。あれ?ずっと続けてるんだっけ?

まあどっちでもいいか。おやすみ~。」


騒がしくしていた美香もいびきをかいて寝てしまった。


それにしても魔素がないだけで魔法が使えないとは、これでは勇者召喚の現場など見つけようがないではないか。

今日はわらわも疲れたから寝るとするか。

しばらくすると魔王も眠りについてしまい、静けさだけが後に残った。

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