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すると、エントランスの直近の緊急車両用のパーキングを、2台のパトカーが占領していた。
「まさか、キャリア組に先を越されたか!?」
八木は、アセった声を出した。
「バカ! ここに来る途中、救急車両に何度か追い越されただろうが。なにかしらデカい事故が起こったに違いない」
と、
それぞれのユニフォームを身につけた隊員たちが、せわしなく右往左往して、どこか途方にくれているようにも見えた。
薄暮の夕空を背景に、地面に点々と置かれた強力な作業用ライトに照らし出されて、
扉に近づいた
「こらこらこら、入っちゃダメよ! ヤジウマは帰りなさい!」
「誰がヤジウマだよ、まったく!」
八木刑事は、スーツの胸ポケットから素早く警察手帳を出して中を開くと、警官の目の前に突き出した。
警官は、ハッと姿勢を正して敬礼をすると、
「これは失礼いたしました! まさか、警視庁がお出ましとは。しかも、こんなに早く! いやあ、さすがですねぇ」
と、モミ手でもしそうな調子で扉を開いた。
八木は、マンザラでもなさそうに、フンと鼻を鳴らして、細長い足を威勢よくあげながら屋内に足を踏み入れた。
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