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双子にいざなわれるまま、犬丸警部と
神社の境内を包む竹林の中に埋もれるように、ひっそりと隠れて建っている。
屋根から土台まで六角形の形状からなる
10坪ほどの広さで、天井から壁や床にいたるまで、磨き抜かれた板ばりの部屋だ。
天然の木材の良い匂いが、奥殿よりさらに強く立ち込めている。
部屋の中央には、真っ白いシーツをピンと敷きつめた分厚い敷き布団が2つ、すき間をあけて敷いてあった。
枕もとの間には小さい
「
と、左にある布団を指さして、ぶっきらぼうに言うなり目を閉じてしまった。
「大丈夫だよ。
犬丸警部は、布団の隣にどっかりとアグラをかいて座り込み、
「私が見守っているから心配いらない。キミに危険があれば、すぐに中止させるから」
と、クギをさすように
こんなバカげた茶番は、ハナから信じちゃいない。
いかんせん、ついさっきの
ウサギ小屋からいなくなった黒いウサギの情報は、ウサギの飼育にかかわっていた小学生たちと教師、それに、警視庁の捜査関係者しか知りえない情報だ。
そのうえ、今日、北関東の山中にあるこの神社を犬丸警部と
にもかかわらず、
当てずっぽうで、ここまでズバリ言い当てることができるとも信じがたい。
カラクリを知るには、もう少し、このウサンクサい双子の茶番につきあってみるのが手っとり早そうだ。
でも、なにかの拍子で、事件の犯人につながる手がかりを
犬丸警部のいささかヒトリヨガリな
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