2-7
「ふうううーん……」
「悪夢を見ないでグッスリ眠りたいだけなら、オレよりも、
と、隣に座る双子の弟をアゴでしゃくって指し示した。
「いや。……
「なんでよ。思い出したくもないイヤな記憶のつまった悪夢をほじくりまわすなんて、
「でも、
「は? なにそれ。意味わかんない」
「……
「だからさ。その
しつこく問いただしてくる
「……死者の霊」
少年たちのヤリトリを黙って聞いていた犬丸警部は、
―――ほーら、おいでなすったぞ!
と、胸のうちで両手を打ち鳴らした。
ウサンクサい双子らめ、いよいよ化けの皮をはがしはじめた、と。
「し、死者の霊!?」
小動物めいた小さな顔を、今にも泣きだしそうにしかめている。
このキズついたイタイケな少年の不安と恐怖心を利用して、サギまがいの霊感商法で金銭を
「シッポだけ真っ白な、黒いウサギの姿がアタマに浮かぶんだけど。……心当たり、ある?」
「黒ウサギだと!?」
犬丸警部は、不覚にも
宇佐美
ウサギの飼育をしている小学校の低学年クラスへの聞きこみにより、事件のあくる朝から1匹のウサギが姿を消していることが明らかになっていた。
それが、全身真っ黒でシッポだけ白い、特徴的な柄のウサギだったというのだ。
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