2-6
なるほど一卵性の双子というだけあって、タタミの上に並んで座っていると、顔と体の造形はウリふたつだ。
なのに、かたや17才にして神社の宮司をつとめる弟の
その
対して、自称『
まあ、幽霊やオカルトのタグイをいっさい信じない犬丸警部にとっては、どっちに転んでもウサンクサイことには変わりはないのだが。
しかし、犬丸警部の予想に反して、
「やめといたほうがいいんじゃない?
少しサビを含んでカスれた響きを持つ甘ったるい声とはウラハラに、意外と的のド真ん中を射た正論をついてくる。
―――こいつは、思った以上にヒトスジナワではいかないかもしれない。
犬丸警部は、
「でも、この1週間ずっと眠れないんだ、ボク。目をつぶるとたちまちイヤな夢を見て飛び起きてしまうんだもの。もうクタクタで、ヘンになりそうなんだ。助けてよ、
昨年の5月なかばに高校を退学して以来、顔を会わせるのは1年と4か月ぶりだが、引っ込み思案で大人しいながらもニコニコと育ちのよさそうな笑顔をずっと浮かべていた印象の強かった、かつてのルームメイトの
「イヤな夢って、どんな夢なん?」
「覚えてないんだ、ぜんぜん。いつも自分の悲鳴で目が覚めて、そのとたんに夢の内容を忘れちゃう。でも、恐怖感だけは残ってるんだ。それで、眠るのが怖くてたまらなくて……」
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