2-5
すがすがしい
テレビのディスプレイには、オンラインゲームのプレイ中の映像が、めまぐるしく動いている。
ヘッドホンをしながら座椅子にアグラをかいて、しなやかな背中を丸めている
「あんだよー、このくそエイム! ヘタに設定いじくりまわすんじゃなかったよ、もうーっ……」
と、1人でブツブツとボヤキながら、ゲームのコントローラーを両手に持って忙しくスティックに指を走らせていた。
「よっしゃ、3キル!」
そう叫んだ瞬間、耳元で急に、
「
「うわわわわーっ!?」
ギョッとした
「なんなんだよ、勝手にヒトの部屋に入ってきやがって!?」
いかんせん、どんなに怒ってみせても、生まれつき口角がチョコンと上がったクチビルには、かすかな微笑がまとわりついてみえるので、いっこうに迫力がないのが悲しいところだ。
「ごめん。何度も声をかけたんだけどね」
と、
「誰?」
ぶっきらぼうに問いかける。
―――こりゃあ、想像以上にタチが悪そうだ……
と、犬丸警部は、心の底からゲンナリしていた。
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