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地元では霊峰とたたえられる、
境内では、意外なほどに多くの参拝客と、
ずいぶんとハブリのよさそうな神社だ。
犬丸警部のアタマの中には、「霊感商法」とか「魔除けのツボ」とか「インチキ霊媒師」だとかいったタグイのワードがパトカーのランプのように次々に
すぐさま駐車場にトンボガエリをしたい
参道の近くを通りかかった神主に声をかけて、
「では、ご案内しましょう」
アポなしの訪問だったが、神主は、2人の名前すら問いただすことなく二つ返事で言うと、お手本のような端正な愛想笑いを顔にはりつけて、スタスタと歩きだした。
ヤケに若い神主だ。
姿勢よく引きしまった
綺麗に日焼けした顔も、ハッとするほど整っている。
紫がかったツヤヤカな黒髪に涼しげな柳眉、長いマツ毛に覆われたアーモンド形の大きな目に浮かぶ深遠な
もとから口角が柔らかく上を向いたクチビルからは、清らかに澄みきった
「あちらが、家人が起居をいとなんでいる
と、涼やかに響く。
社務所の裏手にある奥殿は、ヒノキの良い匂いがたちこめるシンプルな平屋の家屋だった。
神主の少年にうながされるまま、ヒスイ色の踏み石の上に靴を脱いで、そのまま外廊下にあがる。
廊下を進んだ先の角を曲がると、裏庭の小さな池をのぞむ縁側に面した部屋の前で、神主の少年は立ち止まり、室内に向かって障子ごしに声をかけた。
「
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