第41話 桃理《とうり》の想い
僕は
うずくまって顔を伏せ、
座っている
「
「......わかってる、私は仙人でなんでもできるから、
勝手なことをいってるって、
そういう者にだけはなりたくなかったのに......」
「そんなことはないよ。僕なら言いたくても言えなかった。
押し付けるのは責任をとりたくなかったから......
でも
子供たちが飢えずにすんだ。ありがとう」
そう僕が言うと、
「私ね......物心ついたときに兄さまとさらわれた。
でも兄さまがかばってくれて、私だけそこから逃げだした。
それからひとりぼっちで......飢えってとても辛いの......
だからもの乞いや盗みで、食いつなぐ毎日だった。
ひもじくて、情けなくて、つらくて......とてもいやだった」
(それで飢えた子供たちをみてられなかったのか......)
僕は黙って聞く。
「それがある日の夜、朝みたいに明るくなったと思ったら、
すごい音がして意識がなくなった......
目が覚めたらそこには何もなくて、
でも良かったって思ったの......
これでもう盗みで叩かれたりしない、
怖い兵士たちもいないって、
私は人が死んだことなんかより、
その事のほうが嬉しかった......」
ときどき言葉につまりながら話しを続ける。
「そこに
全てを嫌いになってたから......
でも
各地を巡り飢えた人たちや、
傷ついた人たちを癒して回っていた。
自分が倒れるのすら省みずに.......」
そう言って
「......あの子達も、今死ななくてもこのまま生きていたら、
あのときの私のようになっているかもしれない。
人の死にすら、喜びを感じるような人間に......
そう思ったら体が動いたの......」
そして息を深く吸うと顔を上げ立ち上がる。
「そう、だから私は、
落ち込んでられない!行くわよ!
「ああ、わかった」
僕は
「
と常に言っていた仙人らしいわ。
だから
「それが人間に力を貸す......
おかしいな、やはり戦争を起こさせようとしているのか」
その時、
「
「すぐにいきましょう!」
「いや、言っても話しなんて聞いてはくれない......
それに戦いになったら、僕たち三人じゃ勝てないだろうし......」
「そこでだ。
伝説がある場所を教えてくれた」
「
二人相手するなら間違いなく殺されるわよ」
「いやどうやら、
そう好戦的ではなくて、
話がわかる仙人らしい......といっても伝承だが」
「確かに人が住める場所を作るぐらいだから、
必ずしも危険な仙人ではないかも......
それに
どうしようもなくなったら、
話しだけでもしてみよう」
僕たちは
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