第39話 凱朋《がいほう》
僕たちは
「
「もちろん
嘘をついてる可能性はあるけど......」
驚くほど静かに僕の話を
「いや、正直ない話じゃない......
人間を下に見ていた節があるからな。
あの人はかつて人だったとき、奴隷だったらしい......
その事が関係してるのかもな。
......もちろん
(
「だけど、目的はなに?
人間たちを滅亡てもさせようっての?」
「わからない......それに
争いをあえて起こさせてるんじゃないか、
って
「
それが、
「......とりあえず、わからないことはおいといて、
「これは......」
僕は驚いていた。
そこは見渡す限り雪ですごい吹雪だった。
「すごいな。俺たちは気で周囲を暖められるから平気だが、
普通の人間ならすぐ死んじまう。本当にこんなところに、
人が住めんのか?」
「十二大仙の一人、
この地に人が住める場所を、いくつか作ったらしいわ」
「
悪い仙人じゃないの?困ったら訪ねるように、
ついた
「そういうわけではないわ、考え方の違い、
そう
そういいながらも、
(
「きゅい!!」
コマリがなく。
「ねえ!あれ人じゃない」
吹雪の中に今にも埋まりそうな少女が倒れている。
すぐに助け、雪でかまくらを作りはいる。
その時人骨らしきものが、多数埋まっていた。
(この雪で死んだものたちか......)
倒れた少女に
スースーと寝息が聞こえた。
「ふぅ、何とか命は取り留めわね」
「
確か、内丹術を外に放出する難しい術だよね」
「ええ、そうよ、すごいでしょ」
自信満々に答える。
「そういえば
回復させられると言われているな」
「......まあね。
ある程度なら回復させられるわ」
(やはり十二大仙の弟子だけあって、かなり優秀だな)
「う......う、はっ!」
少女が目を覚ますと、飛び起きて離れた。怯えているようだ。
「大丈夫よ。あなたは道で倒れていたの」
「......あなたたちは、外の人たちですか......」
「ええ、仙人よ」
「仙人さま......」
状況を察したのか、少女は頭を下げた。
「助けていただいて、ありがとうございました」
「だけど、こんな吹雪の中歩くなんて危険だよ」
「は、はい、わかっていますが、どうしても弟に食べ物を......」
よく見ると少女は痩せ細っている。
(食べ物......確かにこんな豪雪地帯で、
どうやって食べていってるんだ?)
僕たちは手持ちの食料を少女に渡した。
少女はためらいがちに受けとると、
近くに自分の住む村があると教えてくれた。
少女の名は
(にしては小さいな......八、九才くらいに見える)
「
「......いいえ、なにも」
そう言葉少なに語る。
「でも食料が足りなかったんじゃないのか」
そう
「いえここは常に食料が不足しているだけです......」
「それなら、他国に移動するとか......」
「............」
僕がいうと
「ここの人たちは他国から追いたてられてきた者たちで、
作られた国。ほとんど外部と交流がないの。
そもそも何か取引できるものもないから、
交易もしていないのよ」
そうそっと耳打ちしてくれた。
(ここは排斥者の国か......だから、ここで生きるしかないのか)
僕たちは気で彼女を囲むと、村までついていくことにする。
村につく、その中は寒さこそあるが、
見えない何かで囲われており雪は入ってこない。
「これを
中に雪が入ってこないな」
「どうやってつくってんだ?」
(まあ仙島を作れるぐらいだから、このぐらいはできるのか)
その名もなき村は石や木を組み立てた粗末な家がたち並び、
畑も痩せ細っていた。
(これじゃ生きていくのも大変だろうな。
外に食べ物を探しに行くのも仕方ない)
「
そう呼び掛ける、老人が村人たちと共に現れた。
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