第37話 排仙党《はいせんとう》
僕たちは
そこに粗末な家がたっていて、
小さな畑を老人が一人耕していた。
「
「おお!
老人は
国が滅ぶ前に
何度かこの国にきたときの知り合ったという。
そのまま
「そうですか......
「じいちゃん、私たちを襲ってきた奴らのこと知ってる?」
腕組みをして
「おそらく
「どうしてそう思うのですか?」
僕がそういうと
「あれらの多くはここの生まれのものなのです......」
「生き残りってことか」
「はい......七年前この王都が滅ぼされたとき、
意味がわからず恐れ、
ほとんどの者が国を出ていきこの国は滅びました。
たけど旅や商売で、この国にいなかったものたちがいました。
かれらは仙人を強く憎しみや恨みで、
仙人を排除しようと徒党を組んで排仙党を作ったのです。
今や他の国のものたちも加えおおきくなってるそうです」
「......なぜこの町が滅ぼされたか、検討はついていますか」
僕が聞くと
目をつぶり呟くように話し出した。
「それは......おそらく
「
「ええ、王都が滅ぼされたとき、王宮の宝物庫から、
いくつかの
おそらく、その
狙ったのではと私は考えています」
「確かに
かなり古い国だものね。
とても希少な
眠っててもおかしくないけど、
盗まれたものは分かる
「ええ古来より伝わる至宝がなくなっております。
一つは陰の気が貯められる
そしてもう一つはこの世の全てのものを切ることができる刀、
「それを奪うために王都を滅ぼしたのか......
他の例えば、姿を隠す布なんかは......」
「
姿を隠す衣はたくさんありました。
かつての仙境大乱で仙人によりもたらされたものです」
「襲ってきたやつが持ってたの」
「残っていた
そう残念そうに語った。
僕たちは
「
持っていった
何かしようとしてんのか」
「理由もなく集めてる訳じゃなさそうね。
陰の気を貯められる
何のために使うの?」
「
僕が聞くと、
「
わかるかもしれないけど......とりあえず今は、
一日で、
「......ここよ。この山だわ。炎の動きが止まった」
ゆっくりあるくと、山の中腹まで登ると、
そこから見える崖下の方に洞窟のようなものがあり、
その前に武具をまとった者が大勢たっていた。
「あれは人間か、こんなところにいるってことは、
どこかの兵士じゃないな。排仙党か」
「ああ
やはり排仙党と
繋がっているということだ」
「もう三人で中に入って全員倒せば終わりじゃない」
「いいや、相手は姿を隠すし、
他の
不用意に近づけば人間だとしても遅れをとりるかもしれない。
それに仙人もいるならもっと厄介だ」
「だな。
持ってる
しかも仙人の数も一人とは限らねえ」
わかっているのか黙って聞いている。
「だけど調べないと......あれを試してみるか」
しばらくして僕たちは三人で洞窟の前に降りた。
すると武装した者たちが周囲に集まってくる。
「な、何者だ!」
「こいつら仙人か!」
「
「そうだ三人の仙人だといってたな!」
炎の剣や氷の鎗、浮いている戦輪、
水の弓などその場の全員が、特殊な武具を構える。
(
金属の高い壁が地面から飛び出した。何人かが吹き飛ぶ。
「ぐっ!仙人が攻めてきたぞ!!」
そう大声で一人が叫ぶと、
洞窟内から更に武装した者が大勢でてきた。
「さあ、今のうちに」
「わかったわ......」
洞窟の側に隠れていた僕と
二人で
洞窟は松明が等距離にたかれていて、ひんやりとしている。
皆前にでていったのか人の気は感じない。
「ミサキあれ分身なの?」
「うん、かなり気を使っても、まだ二体しか作れないけど......」
そう、
僕の作った分身だった。
「確かに分身を作れるのはすごいけど......
あれ何よ!あたしはあんな顔じゃないわ!!
あんたどんな目をしてんの!」
「仕方ないよ。
まだ顔を正確に作れないから、髪の毛で隠して作ってるんだ」
プリプリ怒る
「きゃう!」
懐のコマリが鳴く。
「どうやら先に人がいるようだ」
「ええ、注意してみるとほんのすこし気を感じるわね......」
「ああ、
ゆっくり近づこう」
僕たちが洞窟をすこし進むとより強い光が漏れてくる。
そこは広くなっており、奥にはさらに続く穴がある。
人は見えないが、気の気配はしている。
「姿を隠してるのか......」
「私たちが攻めてきたからね。しっ、声が」
「三人の仙人、
「なぜ、ここがわかった、まさか
(やはり
「だから、仙人など加えるべきではなかったのだ」
「だがやつのお陰で気の使えるものが増えた。
それに仙人どもを排除して不要になれば......」
(完全に仲間とかではなさそうだな......)
「それにしても前にでた奴らが帰ってこない
......やはりここまで来るか」
「三人いるからな......だがここに近づいたとき、
見えないうちに後ろに回り、首を跳ねればいい」
そう話す声が聞こえる。
(気を使える程度の人間か......それほどの力はないな)
「位置がわかりづらいから、ここら一体を破壊するわよ」
「いや、僕に任せて」
僕は
ビシャ
「何だ、水溜まり?この洞窟が雨漏りなんて......動けない!!」
「なんだこれは!?ぐふっ!!」
僕は動けなくなったものたちを、次々と気絶させる。
「ふぅ、これで十人全員か......」
「これ気を固めてるの?なんの術?」
「術じゃなくて、僕の
僕は歩きながら説明する。
「自在に気の形をかえられる?陰の気を使わずにすごいわね」
「その羽衣みたいなのも
「ええ、
重さをかえられる
「えっ、大きくなってなかった?」
「あれは私の仙術、
私しか使えない術なんだから」
(独自の術を使えるのは、
かなりの仙人だって
「すごいね
「
まあ当然だけど」
そう
「あそこ、だいぶ奥から大きな気を感じる」
通路の奥からとても大きな気を感じた。
「ええ、かなりね......これは私たちより大きい」
「......とりあえず、姿を隠して近づこう」
奥に進むと、階段がある祭壇のような場所があり、
その階段の上でこちらを向いて座る男がいた。
「......何者だ」
その銀髪の男は目を閉じながらそういった。
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