第32話 山覚《さんかく》の条件
業火が収まると、そこには焼けた鉄の塊が地面に残っていた。
「
「腐食しない
それはおそらくアルミニウムでしょう。
その粉と酸化鉄の粉で還元反応が起こって、
高熱が発生したんです」
「それで私にわざと脆い酸化鉄を作るようにと......」
「俺の方は囮か」
そういって
「ええ、気づかれると、対策をとられますから」
その時、僕たちの周りを衛兵たちが囲んだ。
「待て!」
一人の重臣らしき、髭の男が衛兵を止めた。
「私は
あなた方は、仙人さまだったのですね。
一体何が起こっているのか我々にご説明願えますか......」
困惑している様子だったが
僕たちはこの件について、話し聞かせた。
「ふむ......なるほど、そういうことか。
この国で発生したあの
調べていたと......
確かにあれは仙人が関わっていると噂にはなっている......」
「
この
王を殺害し、この国を混乱させようとしたのだぞ!」
他の重臣が詰めよる。
その言葉に
「............」
「別にかまわん。どちらにせよ、生き延びるつもりはなかった。
だが、あの地下区画を封じるのは止めると約束しろ。
でないなら俺は外の連中の攻撃を止めない!」
そういって
「待ってください!
そんなことをすれば、外のものも地下に残ったものたちも、
何をするかわかりません!」
僕がそう止める。
(このまま、
また反乱が起こって大勢死ぬ!)
「なりません!いかに仙人さまといえど、
この国への反逆者を許すわけには参りません!」
そう重臣たちは口々にいった。
「待て」
「確かに
しかしその王はすでに、
その
「しかし、このまま許すことはできん!
罪は罪!これを許せば今まで作った国の権威が失われる!!」
重臣は引き下がらない。
「無論、罪は罪、ゆえに仙人さま。
代わりにこちらに留まってはいただけないか」
「何をいう!
重臣たちは受け入れられず騒ぎ立てている。
「では皆に問う!今我が国には王はいない!
反乱がおこれば国中に広まるかもしれぬ。
その上、他国が攻めてきたら、どうやってこの国を守れよう。
仙人さまにいていただく以外に方法はあろうか!」
みんな黙ってしまった。
「......ということだ。
代わりに仙人さま。新王を擁立し体制が整うまで、
この国にご助力くださいますな」
そう
(仕方ない......)
「わかり......」
「では私が
ならばいいか」
僕がいう前にそう
「
「......お前の代わりに、地下の彼らを見守ってみよう」
それから三日後、
僕と
「すまぬな
前王の頃から、やることに逆らうと重罰を課されるため、
止めることはできなかった......
それで王のやることを盲従するのが、
正しいと自らに、思い込ませていたのだ」
そう
「しかし、まさか
地下区画へと追いやっていたとはな......」
その話を知らなかったようで驚いている。
「もう、そんなことはかまわねえ、
それよりあの地下区画のあいつらを助けてくれるんだろうな」
「もちろんそれは約束しよう。
もう封印はといて、自由に歩けるようにした。
禁止事項も撤廃している」
「私が見守っているから問題はない」
「
「......かまわないさ、私の贖罪のようなものだ。
この国を捨てた私のな」
そう
「
「やめろ!なんか恥ずかしいだろ
そう
「大丈夫です。一緒に
僕はそう言うと、
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