第33話 香花仙《こうかせん》
僕と
本人の希望で、人のいない砂漠で修行をしていたのだ。
「暑いね
修行ができないから仕方ないけど」
「
あんたと
それをみながら、コマリは首をかしげている。
「じゃあ
もうちょっと陽の気を強くしないと、
術が続かないと思うよ」
「そうか、それで威力と発動時間が短いのか......
あまり、うまくは行かなかったからな」
(まあ、子供の頃から辛い境遇だったんだ。
負の感情に左右される陰の気が強いのは、
仕方ないことなのかもしれないな......)
そう思いながら、前から気になっていたことを聞いた。
「国を救うために、
「......いや、確かに国を救いたいとは思ったが、
どうにも
「気が合わない?」
「ああ
人間になんというか冷淡だった。
人間は自らで決められない存在で
誰かや何かにすがり付いて生きるしかない、そう言っていた」
「そう......まあ、そう言う面もなくはないけど......」
(
「俺にはその考えは、受け入れられなかった。
人間は自分で考えて生きられると、思っていたから、
思いたかったからかもな......」
「それで
「ああ、ただ
殺した
そう言って水球を作っている。さっきよりはもっているようだ。
「
「確かにそのぐらいだな......
急に病人が地下区画へと放り込まれた。
どうやら、それに荷担した奴らは罪に問われるらしいがな」
「それで何か気づいたことはない?
薬を渡した銀髪の男について」
「といわれても、あの時薬を持ってきたその男は、
子供がみただけだから詳しくはわからねえ。
......そうだ、薬の瓶に《サク》の文字があった」
「サク? そう言えばどこかで?」
「ああ、
とても医学が発達してる国だ。
そこは仙人が統治しているらしい」
(そう言えば
仙人が統治する国......)
「今はそこしか手がかりがない。行ってみよう」
「かまわないが、なあ
もう
一体なんでそんなに
俺と
そう不思議そうに聞いてくる。
「......そうだね。でも、
仙人に関わりたがらない
この事はどうにも気になるんだ」
「......
目を見開いて
「うん、
「二人の十二大仙かよ。
それが気にする事ってことは何かあるのか......」
「まあ、修行しながら、とりあえず行ってみよう」
「そうだな」
「あっ、そうそう、これ」
僕は
「何だこの棍?」
「
元々は
「
「じゃあ行こうか」
「ああ」
僕たちは
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