第25話 仙境大乱
そして、一年後。
激しい修行ののちに、僕は空を飛べるようになっていた
「どうやら
自在に飛ぶことは、できるようになりましたね」
地上に降りると、
満足そうに頷いてそういう。
「はぁ、はぁ.....ですが、まだ陰の気を使いこなせていない、
飛ぶのがやっとです......」
「陰の力は破壊の力......怒りなどの感情の高ぶりで発生しますが、
感情を抑えないと制御は困難......
その相反する心を調整しないといけません」
「ええ、かなり難しいです」
「少し休憩しましょう。
うまく行かない時は、休むのも修行のひとつです」
そういって微笑んだ先生は、
屋敷でお茶と菓子を出してくれた。
何気ない会話の後、気になったことを聞いてみた。
「先生、なぜ僕に修行をしてくれるのですか?」
「
何か意味があると思いました」
「意味?」
「彼は仙人とは関わりたがりませんから、
その彼が連れてくるのだから、何か意味があるのでしょう」
(確か......僕が
「......
なぜ仙人と関わらないんですか?」
「......そうですね。彼、いえ私もですが、
もっとも近かった二人の仙人の十二人の弟子なのです」
「
「ええ、
最古の仙人の二人です」
「その弟子ということは、かなりの高位の仙人なのですか?」
「はは、お恥ずかしながら、
尊大な異名をうけておりますね」
そういって先生は笑った。
「そんな人がなぜ仙人など下らない、何て言ってたんだろう......」
「そうですね......彼がそうなったのは、大乱の後でしょうか?」
「大乱?」
「仙人の力を使い、全ての人を救うべきという、
仙人は人などとは関わるべきではないという、
弟子の十二大仙の対立を引き起こし、
仙人、人間を巻き込む争いとなります」
「戦争ですか......」
「ええ、
ついに
「では
「姿を消しました......その後のことは誰も知りません」
そういうと初めて、思い詰めたような表情をした。
(先生がこんな顔をするなんて......)
「なのに、
戦争のせいでしょうか?」
「......それもあるでしょうね。友でもあった六黒仙との戦いは、
「それで仙人に嫌気がさしたのか......」
「それでも陰の気を浄化しているのだから、
腐ってはいないでしょうが......それに仙人であるあなたを、
わざわざここに連れてきたのですからね」
僕はそれを聞き、複雑な感情になる。
「どうしました?」
「
なぜ僕は仙人として転生したのでしょうか」
「ふむ」
「何かをしようとしていたわけじゃない。
子供が危なかったから、助けようとしただけ......
別に善意とかではなかった、たまたまです。
仙人になったとしても、何もすることがないのに......
なぜここに......」
静かに話を聞き、お茶を飲んでいた
目をつぶる。
「そうですね......なぜ仙人として生まれたのか、
誰かの意思なのか偶然なのか...... それは私もわかりません。
ただ、生まれたという事実はかわらない。
意味を探すより、作る方が大切なのではないでしょうか」
そう言って
「意味を作る......か、
そういえば
そう
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